がんにならない生活術

和田 高齢者の不安のタネに「がん」があります。「がんにならない生活術」というものを鎌田さんは提唱していますが……。

鎌田 第1に「ちょい太のほうががんになりにくい」ということです。多くの医師は「BMI(体重を身長で2回割った数値)は22」なんていうかもしれませんが、年をとったらBMI26くらいでも問題ない。「ちょい太でだいじょうぶ」なんです。

ちなみにBMIの数値は18.5以上25未満が普通で、18.5未満が痩せ型、25以上30未満が「やや肥満」。メタボリックシンドローム対策の対象となる数値ですね。でもBMIが23〜25のちょい太に比べ、19未満の痩せ型はがんの発生率が30%も高いのです。BMI25以上は肥満とされていますが、26くらいまでOKです。

和田 私はあまり気乗りがしませんが、減塩も大事だそうですね?

鎌田 それが2番目。最近でこそ、日本人のがんの死因の1位は男性が大腸がん、女性は乳がんになりましたが、根強く残っているのが胃がんです。塩分は胃がんを誘発し、大腸をはじめ消化器系のがんに大きな影響を与えます。総じて味が濃いめで塩分の摂取量の多い秋田県、青森県は胃がん患者が多いのです。スクワット(運動)、減塩につぐ3番目は抗酸化力をアップさせること。がんも認知症と同様に、慢性炎症が引き金になっているといわれています。

和田 抗酸化力をアップさせる食品群が発表されていますよね。

鎌田 1990年にアメリカの国立がん研究所が「がん予防に重要な野菜リスト・デザイナーフーズ」を発表しています。野菜は抗酸化力を高める順にピラミッド型になっていて、最も予防効果が高いのはニンニク。次いでキャベツ、ショウガ、大豆、ニンジン、セロリ。これらを普段から摂ること。

僕はお寿司屋さんに行くと、一貫食べるごとにガリを口にします。家の冷蔵庫には甘酢につけたガリを常備しているし、トンカツを食べるときは必ずキャベツの大盛りを頼みます。セロリもピラジンという成分が血液をサラサラにして、血栓やがんを予防するような作用があります。