度々議論が起こる、保険の「要る/要らない」論争。どちらが正しいのでしょうか? 保険の重要性を強く感じていそうな保険外交員のなかでも「要らない」と主張する人がいるようで……。
「保険?必要ないやろ」とせせら笑い…32歳で月収100万円、大手生保・大卒保険外交員のホンネ (※写真はイメージです/PIXTA)

「保険は要らない」という考え方

年齢が若いうちは貯蓄が十分でないことも多く、三大疾病や介護・身体障害状態となってしまうと、経済的に困窮するでしょう。また、若いうちに加入しておかなければ、加齢により病気やケガのリスクが上がったタイミングで保険に加入したいと思っても、保険会社の審査により加入できないという可能性もあります。

 

しかし、若いうちに三大疾病や介護・身体障害状態となる確率の低さからみて、「保険に加入することは、自分が大病・大ケガをすることに賭けるということ」と解釈する人もいるようです。大倉さんもそのひとり。彼女は、生命保険の営業として10年働くなかで、価値観の変化があったようです。

 

「入社当初から『保険はいかに重要か』ということを上司に刷り込まれてきました。最初はそれを疑うことなく、お客様に保険の重要性を訴え続けてきたんですけど……。10年続けてきて、大体2年に1回程度、大手の生命保険会社は保険の商品内容(保障内容)が変わるのですが、特にそのタイミングは自問することが多かったです。本当にこれはお客様のためになる内容なのだろうか、と。

 

ここ数年で自分の営業のノウハウが確立してきたので、営業成績でいうと上り調子ではありますが、実は私は、今年度中に退職する予定です。定時で帰れる企業に転職を予定しています。主人が転職を機に年収が大幅アップしたことがきっかけですが、保険会社を辞めようと決めたら、自分のなかの答えは出ました。保険は要らないと思います」

 

大倉さんの10年目の答えは、あくまでひとつの考え方に過ぎません。保険に加入していることで安心感を得られる人、自営業やフリーランスなど公的保障が十分でない人、養う家族がいる人などは特に、保険の必要性について考える機会が多いでしょう。

 

重要なことは、正しい知識のもとに、自分自身の状況に合っているかどうかという基準で、判断することです。ひとつの意見に縛られず柔軟な考え方をする必要があります。