度々議論が起こる、保険の「要る/要らない」論争。どちらが正しいのでしょうか? 保険の重要性を強く感じていそうな保険外交員のなかでも「要らない」と主張する人がいるようで……。
「保険?必要ないやろ」とせせら笑い…32歳で月収100万円、大手生保・大卒保険外交員のホンネ (※写真はイメージです/PIXTA)

キャリア10年で出た結論

大手生保の東京支社に勤務する大倉あずささん(仮名)。出身は大阪ですが、3年前の結婚を機にご主人の仕事の都合で東京へ引っ越してきました。今年で入社10年目。成約数によって募集手当が変わるため、月ごとに差はありますが、直近1年の成績を平均すると、月収100万円程度の収入を得ています。

 

多くの顧客を抱える大倉さんですが、これまで高額な保険金支払いとなった顧客の対応をしたことがないそう。

 

「入社してから多くの方に保険の契約をいただきましたが、一度もありませんでした。大阪時代とこっちへ来てからも、目立った保険金の支払い対応をしている人はほとんど見かけたことがありません」

 

大倉さんは自身の業務経験をもとにした話を続けます。

 

「コロナのときは確かにたくさん入院給付金の支払い請求がありましたけど。担当者視点では契約時の募集手当が大きくて、お客様視点では万が一なると大金を受け取れる、いわゆる三大疾病保障や介護・身体障害保障などの支払い請求は本当に少ない。毎月みんな1万円以上保険料を支払うような保険に加入しているのに、ほとんどの人が使わないものなんていらんやろ、って思ってしまいますね」ははっと笑いながら言います。

 

「一応、理由があって。私たちのように新卒で保険会社へ入社した人は職域営業という担当する企業のお昼休みなどに企業の社員の方へ保険の営業をします。基本的に募集手数料が高いのはやはり20~30代の方の生命保険契約です。高卒で働き始めている18歳~19歳の方もやっぱり高いです。若いとそれだけ病気やケガのリスクも低いので、若者を狙って募集手数料をしっかり稼いでいる営業員の給付金支払い対応が少ないのは当然なんです。そもそも病歴があるなど、リスクが高い方は保険に入れないですしね」

若いうちに三大疾病保障や介護・身体障害保障などの給付金を受け取れる確率

日本人の国民病「がん」の罹患率

日本人の死因第1位であるがん。国民病ともいわれますが、その罹患率はどの程度なのでしょうか?

 

国立がん研究センターの統計データによると、現在20代の人が10年以内になにかしらの「がん」と診断される確率は、男性が「約0.3%」、 女性は「約0.5%」という結果です。この結果を踏まえると、20代でがんになる確率はそうとう低いといえそうです。

 

病気やケガなどによって「介護」が必要になる確率

では、介護状態になる確率はどの程度なのでしょうか?

 

多くの保険会社が「所定の介護状態」と記している「公的介護保険の要介護2以上と認定されたとき」というのは、立ち上がりや歩行などが困難であり、着替えなどの日常生活で介助が必要とされる状態です。生命保険文化センターのデータによると、20代で介護状態になる確率は1%未満と、非常に低いことがわかります。想像に容易いですが、介護状態は、高齢者に多く見られる状態であり、加齢に伴って確率が高くなります。