私だけじゃない…そう思えるとスーッと心が軽くなる

今のシニア世代は、昭和の時代に、会社でコピーをとったり、ファクスを送ったりできなかったおじさんたちより、ずっと進化して何でもできます。

つまり、「老い」という言葉のイメージばかりが先行して、何でもネガティブにとらえすぎているのではないでしょうか。それだけでなく、自分自身が抱えている問題を「老い」のせいだとすり替えて考える人もいるようです。

私たちは、この世に生まれた瞬間から死に向かって進んでいて、年齢に応じて体が変化していくのは自然なこと。それならば、日々の暮らしでは「老い」を意識しないで過ごしたほうがいいのではありませんか?

また、老いに対しての不安は、自分ひとりで考え込まず、いろいろな人の意見を聞いてみるといいかもしれません。

「僕も同じだよ」「私なんか、もっとひどいわ」というような会話は、同年代の人が集まると必ずといっていいほど交わされますよね。

そして、お互いに「自分はこんな対策をしている」とか、「そんなこと、気にしないほうがいいよ」というようなアドバイスもあるのではないでしょうか。同じ気持ちの人と出会えれば、「ああ、私だけじゃないんだ」と、スーッと心を軽くできるでしょう。

保坂 隆

保坂サイコオンコロジー・クリニック院長