万が一が起きたら…ネックは見栄っ張りな「末っ子の妹」
実父の相続で揉めていることを明かした50代男性。騒動を順に辿ってみます。
きょうだいは、男性、2つ下の弟、さらに1つ下の弟、さらに3つ下の妹の4人きょうだい。男性は母が亡くなってから父のことを心配し、男性家族とともに実家で暮らすようになったといいます。
きょうだい仲は至って普通。程よい距離感を保っているといいます。ただひとり、末っ子の妹を除いては……。
――昔から見栄っ張りで、虚勢を張りがち
そんな性格は、ブランドものにかためられたファッションからも明らか。一度、なぜそんなにもブランドものにこだわるのか聞いたところ「だって友だちに負けたくない」と返答。「付き合っている友人が悪いのでは」と喉から出かかりましたが、グッと飲み込んだことを覚えています。
住まいも、都心のいわゆるタワマン。夫は有名企業で働いているとはいえ、普通のサラリーマンなので、給与は高が知れています。しかし妹は「せっかく東京で暮らしているんだから、都会暮らしを満喫しなきゃ」と、タワマン購入を強硬。それがかれこれ15年ほど前の話で、ずっと家計は苦しいはずです。なぜなら、父によく金の無心をしているから。父は父で、末っ子の女の子は特別かわいいのでしょう。結構な額を援助していることは確実だといいます。
――自分のところにまで火の粉が飛ぶのはごめん
そう思って、3人のきょうだいのなかでは妹だけは距離を置いてきました。そんななか、父は80歳を超えてから体調を崩すことが多くなり、入退院を繰り返すようになりました。万が一のことを考えるのは不謹慎かもしれませんが、気がとても重くなります。たとえ仲の良い家族であっても、相続となるとひと悶着あるというのは、よく耳にする話です。
男性家族が実家に引越してきてからすでに20年近くにもなり、できればずっとここで暮らしていきたいと考えていました。万が一のことが起きたら、弟たちは「実家は兄に。ほかの遺産を他のきょうだい3人で分ける」という遺産分割案に理解を示してくれるはず。しかし妹はここぞとばかりに自分の取り分が多くなるよう画策してくるでしょう。実家も「きちんと分割しないと不公平」と主張するのが目に見えています。
悶々とするのも無駄だと思い、意を決して父に「すまないが、いまのうちに遺言書を書いてくれないか」とお願いをした男性。父も、男性が悶々としているのを知っていたのでしょう。2つ返事で「分かった」と快諾してくれたといいます。