新型コロナウイルス感染拡大で大打撃を受けた旅行業界ですが、コロナ禍が明け、旅行やレジャーに出かける人も増加しています。そこで、本稿では、最新のITテクノロジーを活用したトラベルテックについて紹介します。ホテルの予約や交通機関の予約、旅行中のスムーズな決済サービス(キャッシュレス)、GPSと連動した観光地案内など、ITテクノロジーと連動してシームレスに旅行を楽しめるテックやサービスを紹介。自分に合ったテックやサービスを活用してより快適な旅をアレンジしてみてはいかがでしょうか?
旅行をスムーズにする「トラベルテック」 観光×ITでアフターコロナの旅はどう変わる? (※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

「IT×旅行」トラベルテックとは?

トラベルテックとは、トラベル(travel)とテクノロジー(technology)を組み合わせた言葉で、従来の旅行の様式や手続きを変革し、よりスマートで効率的な旅行体験を提供するものです。

 

例えば、ホテルのオンラインチェックイン、エクスプレスチェックアウトができるサービス、商業施設やトイレなどの混雑状況を可視化するサービスなどが挙げられます。また、キャッシュレス決済や多言語翻訳サービスなどもトラベルテックの一部として展開されています。

 

このように、IT技術を活用することで旅行者の利便性が向上し、旅行全体の効率が高まるとともに、観光地や旅行業界全体の競争力も強化されることが期待されています。

 

経産省・トラベルテック協会によるトラベルテックの定義は?

経産省とトラベルテック協会が示すトラベルテックの定義には、それぞれ独自の視点があるため、それぞれが掲げるトラベルテックの定義について確認しましょう。

 

経産省の定義では、「トラベルテックの導入に関する調査等事業*1において、「タビマエ(旅前)・タビナカ(旅中)・タビアト(旅後)におけるPUSH型/PULL型情報発信、多言語対応(翻訳)、キャッシュレス、観光型MaaS、輸出促進(越境ECなど)までを構成するデジタルビジネス・サービスの総称」と定義されています。

 

これは、旅行におけるカスタマージャーニー全体での情報提供やサービスが、デジタル技術を活用して行われることを指しています。

 

一方、トラベルテック協会の定義*2では、「最新のITテクノロジーを活用することで、旅行者の手間をなくし、シームレスな対応を試みること」としています。目的としては、「人、モノ、サービスがテクノロジーでつながることで、観光によるコミュニケーションを誰もが実現すること」とされています。

 

旅行者の利便性を向上させるためにテクノロジーを活用し、観光におけるコミュニケーションをスムーズにすることを目指していることがわかります。

 

このように、経済産業省はトラベルテックをデジタルビジネス・サービスの総称と捉え、主に旅行業界全体のデジタル化や新たなビジネスモデルに焦点を当てています。一方、トラベルテック協会は、より旅行者のコミュニケーションに着目し、テクノロジーを通じて旅行者と観光地、旅行業者との関係性を強化することを重視しています。

それぞれの分野で活躍する企業がリストアップ 観光テックカオスマップとは?

AOSデータ社が作成した「観光テックカオスマップ2023版」
AOSデータ社が作成した「観光テックカオスマップ2023版」

 

観光体験の質を高め、効率を上げ、新たなビジネスモデルを生み出す可能性を秘めているトラベルテック。

 

そこで、クラウドデータ、システムデータ、リーガルデータ、AIデータなどのデータアセットマネジメント事業を展開する「AOSデータ」がChatGPTを利用して、観光テック分野の32業界クラスターを包括的に取り上げた観光テックカオスマップを作成しました。

 

このマップは、以下の8つのメインカテゴリに分類されます。

 

  1. デジタル体験
  2. データドリブン観光
  3. 顧客エンゲージメント
  4. サステナビリティ観光
  5. スマート交通
  6. デジタルマーケティング
  7. スマートインフラ
  8. 観光テックの未来

 

トラベルテックが最新技術やさまざまな業界やサービスなど広範囲にわたっていることがこのマップを見ればわかるのではないでしょうか?