サラリーマンであれば、いつかは必ず訪れる定年退職の日。大変だった日々を思い出し「ここまでやってこれたのも妻のおかげ」と感謝の気持ちでいっぱいになり、「これからは夫婦水入らずでゆっくりしよう」と考えるのも、ひとつのパターンです。そんな夫に対して妻は、まったく別の方向を見ている可能性も……みていきましょう。
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長男の嫁、重すぎる「義母の介護負担」

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、要介護者に対して主な介護者の属性をみていくと、「同居する配偶者」が22.9%、続いて「同居する子」が16.2%、「別居の家族等」が11.8%、「同居する子の配偶者」5.4%。「事業者」は15.7%でした。

 

また男女別にみていくと、主な介護者が同居の場合は「男性」が31.1%、「女性」が68.9%。別居の場合は「男性」が26.0%、「女性」が71.1%。「同居する子の配偶者」が介護するケースは少数派ながら、男性の妻のように「長男の嫁」が義親の介護をするというのは、昔からよくあるパターンです。

 

また義母は最終的に要介護3まで進んだとか。それはどれほどの負担なのでしょうか。

 

要介護3は、要介護認定等基準時間が70~90分。歩行器や車椅子を使用し、食事や歯磨き、入浴など、日常生活において全面的に介助を必要とするレベルです。また認知症の症状も見られることが多くなります。

 

また前出の厚労省の調査によると、要介護3の場合の介護時間について「ほとんど終日」が最多で31.9%、「半日程度」が21.9%、「2~3時間程度」が11.5%、「必要なときに手をかす程度」が26.0%。どれほど介護サービスをお願いするかにもよりますが、この結果からも、要介護3の介護負担は、相当なものであることが推測されます。

 

自宅での介護も難しくなり、施設への入居も視野に入りますが、「長男の嫁」という周囲からの無言のプレッシャーもあったのでしょう。最後まで在宅で介護を行い、自宅で看取ったといいます。

 

――(負担だと)言ってくれたら

 

と男性。それに対し妻は

 

――言っても分からないわよ、あなたは

 

そんなやり取りを報告する男性に対して

 

――定年で旦那が家に……奥様の負担がさらに大きくなる

――心を入れ替えないと離婚は確実

――いや、離婚は時間の問題。すでにフラグが立ってる

 

辛辣な声が並びます。男性が思い描いていた定年後の生活を実現できるのか……いまのところ可能性はかなり低いと言わざるを得ません。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』