金持ちは大変だね……他人事と思っていた「相続トラブル」。しかし、裁判沙汰にまで発展するのは「遺産総額1,000万円以下」が最も多く、実は一般人のほうが相続トラブルに巻き込まれやすいというのが実情です。今回は遺産分割の話を発端にした家庭内のトラブルについてみていきます。
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相続発生…「遺産はどれほど?」を明らかにするには

今回の相続では、母と3人の子供が法定相続人となり、法定相続分は母が遺産の1/2、子がそれぞれ遺産の1/6ずつとなります。

 

相続の際、まずは「どれだけ資産があるのか」を明らかにする必要があります。なかなか骨の折れる作業ですが、通常、書類や手紙など、亡くなった人の遺品から、財産の所在を示すものを探し、それに基づいて調査します。

 

【遺産の調査の仕方】

1.預金

通帳が見つかれば残高を調べ、かつ同じ銀行に複数の口座がないか問い合わせます。そのほか、口座がありそうな銀行に対しては、直接問い合わせます。

2.不動産

固定資産税の納税証明書等を確認します。市区町村に直接問い合わせると、氏名をもとに調査することが可能です。

3.有価証券、保険証券  

証書等が見あたらない場合は、証券会社、保険会社からの郵便物をもとに調べます。

4.その他の債権・債務  

債権については、契約書等の原本・写しがないか確認します。債務については、借用書等を探すだけでなく、支払いが滞ると、債権者からの催告書等が届きますので、それらを確認します。

 

出所:法テラスHP

 

女性の例では、相続の話がいつの間にか兄の離婚問題にすり替わってしまいましたが、万が一、ひとりでも遺産分割の方法に反対があると、ほかの人たちで遺産分割がまとまっても無効になります。また相続人全員の間で協議がまとまらない場合、家庭裁判所に対して遺産分割の調停、または審判の申立てをすることになります。

 

[参考資料]

法テラス『法定相続分とは何ですか。』

法テラス『相続に際し、被相続人の預金その他の資産を調べるには、どうすればよいですか。』

法テラス『遺産分割協議がまとまらない場合には、どうすればよいですか。』