マンションの大規模修繕…戸あたり「100~125万円」が最多
総務省『令和5年住宅・土地統計調査』によると、日本全国にある住宅は6,502万0,700戸。そのうち、共同住宅(以下マンション)は2,492万0,300戸。さらに502万3,500戸が空き家になっています。
その内訳をみていくと、賃貸のために空き家になっている「賃貸用の住宅」が394万1,100戸、売却のために空き家になっている「売却用の住宅」が12万9,000戸、別荘を含む「二次的住宅」が10万6,600戸、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅などといった「その他の住宅=放置空き家」が4万4,600戸となっています。
また空き家マンションのうち、腐朽・破損があるものは62万3,400戸。「賃貸用の住宅」は48万8,000戸、「売却用住宅」で6,000戸、「二次的住宅」で5,000戸、「放置空き家」が3,700戸となっています。
このようにマンションに限らず、空き家は日本の大問題。年々増加傾向にあり、特に放置空き家、腐朽・破損があるものは、防災や治安の面において不安があり、解決しなければならないものです。
そこでマンションにおいて必須になるのが定期的な修繕です。厚生労働省『令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査』によると、大規模修繕工事を実施したマンションの平均修繕周期としては、13年が最多で、全体の約7割が12~15年の周期で修繕を行っています。また工事回数別にみると、1回目は15.6年、2回目が14.0 年、 3回目が12.9年と、回数が増えるほど修繕周期が短くなる傾向がみられます。
気になる費用は、まず戸あたり工事金額は、最多が「100~125万円/戸」で、「75~100万円/戸」、「125 ~150万円/戸」と続きます。また 床面積あたり工事金額は、最多が「1.0~1.5万円/平米」で、「0.5~1.0万円/平米」、「1.5 ~2.0万円/平米 」。さらに工事回数別にみると、1~3回目以上いずれも最多は「1.0~1.5万円/平米」でした。
単純計算、15年目の最初の大規模修繕で1戸あたり125万円の修繕費がかかるとすると、1ヵ月あたり7,000円程度の積立金があれば賄える、ということになります。