寂しくてひとり暮らしに限界!見学して決めた「老人ホーム」だったが…
周囲が心配するほどの伯父の激変ぶり。
――前はメタボを心配するほどだったのに……
さらに伯父は事あるごとに「寂しい」「寂しい」と訴えるようになったものだから、親戚が皆、心配を口にする……そんな事態が急変する出来事が。突然、「この家も売って老人ホームに引っ越すことにした」というのです。伯父いわく、
――老人ホームなら、食事も掃除も洗濯もしなくてもいい
――常に同年代がいるから、寂しくない
というのが決断の理由。いまのままでは伯父もやせ細ってどうにかなってしまう……と心配していた親戚も、それであれば、と胸をなでおろしたといいます。
伯父はいくつかの老人ホームを見学。「年金をもらうようになったら月30万円くらいになるはず」と伯父。お金の心配はないから、少々高くてもいつまでも安心して暮らせることが第一条件と、いまは必要なくても、医療や介護のフォローがしっかりしているホームを選んだといいます。
これで男性もひと安心かと思いましたが、話には続きがあります。入居から半年経たずに、伯父はホームを転居したというのです。
――えっ、何がいけなかったの?
男性が伯父に聞いたところ、「自宅にいたときよりも、もっと孤独だった」と耳を疑うような理由を口にしたのです。伯父の話を整理すると、
・さすがに月額費用が高いだけあり、サービスの質は申し分なし
・ここなら終の棲家としても申し分なし
・しかし入居者はみな現役を引退した人たち
・ホームから時々仕事に出かける伯父とは話が合わず
・伯父は常にホームでもひとり。周囲に人がいるだけに余計に孤独を感じた
話を聞いた男性は、いまいち釈然としない気持ちになったといいますが、本人が「寂しい」「孤独だ」というなら、仕方がありません。結局、伯父と同じように現役で働く人も入居するホームへと転居を決めました。
老人ホームに入居する理由はさまざまですが、入居前の施設見学は必須です。その際に、チェックすべきポイントが色々とあります。そのひとつが「入居者」。施設によって、要介護者のみとか、自立している人のみとか、要介護者も自立している人もOKなど、条件はさまざま。同じような入居条件だったとしても、要介護者が多い、自立している人が多い、認知症患者が多いなど、施設によって特徴があります。そのあたりをしっかりと確認して決めないと「入居者と合わない」という結果に。男性のように退去を決めるケースも珍しくないのです。
[参考資料]