おやつや間食は健康に悪い。ダイエット中などもってのほか――そう考える人は少なくないでしょう。しかし実際は、適切な食材を選ぶことで、間食をするほうが得策と順天堂大学医学部教授の医師である小林弘幸氏は言います。本記事では同氏による著書『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット 超シンプルな腸活健康法』(アスコム)から一部抜粋して、「おやつにバナナ」をすすめる理由について解説します。
医師が推薦!「おやつ」はむしろ食べたほうがいい… 大谷翔平も実践していた理想のおやつとは?
ダイエット、運動、仕事中のおやつは「バナナ」
「モーニングバナナダイエット」のやり方のひとつに、間食にバナナをとるという方法をおすすめしています。「ダイエットのためには間食NG!」なんて思い込んではいませんか? 確かに、糖質や脂質まみれの間食は避けたほうがいいでしょう。
でも、バナナも含めて健康的な食材を間食で食べることは、「ヘルシースナッキング」といわれ、今注目の健康法です。「ヘルシースナッキング」は、アメリカ発の新しい健康習慣。スナッキングとは間食のことなので、直訳すれば健康的な間食になります。
その効果を説明しましょう。まず、食事は1日3食よりも多く、こまめにとったほうが太りにくいとされています。それは間があくと空腹になるので、必要以上に食べ過ぎてしまう危険があるからです。
そして、空腹になると糖質が不足した状態になり、「遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)」という物質が分泌されます。困ったことにこの物質には、エネルギーを代謝しにくくして脂肪を蓄積させる、という作用があります。つまり、空腹になると二重の意味で太りやすくなるというわけです。
そこで、間食をして空腹にならないようにするのが得策なのです。
また、ダイエットだけでなく、日中のパフォーマンスの面からみても、間食をとるメリットがあります。なにかと悪者にされがちな糖質ですが、本当は、大切なエネルギー。不足するとボーッとしてやる気が出ず、仕事も勉強も、パフォーマンスが下がります。
運動中の間食としても、バナナが最適です。メジャーリーガーの大谷翔平選手がベンチでバナナを食べている姿が話題になりましたし、今、女子プロゴルファーの間では、ラウンド中にバナナで栄養補給する選手が増えているといいます。
仕事にしても、野球やゴルフにしても、長い時間、脳や体を動かすときには、バナナは非常に適した栄養補給食材だといえます。