おやつや間食は健康に悪い。ダイエット中などもってのほか――そう考える人は少なくないでしょう。しかし実際は、適切な食材を選ぶことで、間食をするほうが得策と順天堂大学医学部教授の医師である小林弘幸氏は言います。本記事では同氏による著書『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット 超シンプルな腸活健康法』(アスコム)から一部抜粋して、「おやつにバナナ」をすすめる理由について解説します。
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「おやつにバナナ」を本気でおすすめできる理由
糖質がエネルギーに使われるまでの時間は、消化にかかる時間によって決まります。早く消化される糖質はすぐに、消化に時間がかかる糖質はゆっくりとエネルギーになります。
バナナは、速やかにエネルギーへと変わる単糖類(ブドウ糖・果糖など)と、時間をかけてエネルギーになる少糖類(オリゴ糖)や多糖類(デンプン・難消化性デンプン)のいずれも含むため、持続的にエネルギーがチャージされ続けます。
また、バナナにはBCAAという3つのアミノ酸が含まれています。運動中、エネルギーが不足すると、エネルギー源として筋肉が分解されるのですが、BCAAがかわりのエネルギーとなることで、それを防ぐことができます。さらに、BCAAには、トレーニング中の集中力をアップさせる働きもあります。
また、激しく体を動かして汗をかくと、さまざまなビタミンやミネラルが失われ疲労感を覚えやすいものですが、ビタミンB群やカリウム、マグネシウムといったミネラルも豊富に含まれています。
つまり、バナナを食べれば運動中も疲れにくくなるのです。
その他の「間食におすすめ」の食材
「ヘルシースナッキング」に適した間食は、
①血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維が豊富な低GI食品
②満腹感が持続するタンパク質が含まれているもの
③ある程度糖質が含まれているもの
④カロリーが200kcal/日以下のもの
です。当然、バナナもこの条件を満たしているのですが、ほかにも間食におすすめの食材をいくつか紹介しておきましょう。
1つ目が、髙カカオチョコレート(カカオ分70%以上のチョコレート)。老化予防の効果があるといわれるカカオポリフェノールや腸内環境を整える効果が期待できるカカオプロテイン、食物繊維も豊富です。チョコレートというと甘くて、血糖値が急上昇しそうなイメージがありますが、高カカオチョコレートは、意外にもGI値は低めです。しかも手軽に食べられるので便利です。1日25g、個包装のもので5枚程度が目安となります。
もう1つがアーモンドです。アーモンドはナッツ類のなかでも非常に多くの食物繊維を含んでいます。また、必然的によく噛むことになるので満腹中枢(まんぷくちゅうすう)が刺激され、食欲を抑えられます。加えて、ダイエット中に不足しがちなカルシウムや鉄分、マグネシウムなどのミネラルバランスがよいのもポイント。1日20~30粒程度を目安としてください。