子どもが中学生になれば、ある程度精神も自立してきます。親に万が一のことが起きた時のお金のことについて、話し合いをしておくことは、親にとっても子どもにとっても大切です。本記事では、FPオフィスライフ&キャリアデザイン代表の山内真由美氏の著書『FPママの親と子で学ぶお金のABC:13歳からのマネーのレッスン本!』から、「万が一の時」について親子で話すべきポイントを解説します。
親が万が一の時の「生命保険金」…中学生になった子どもへ、上手く伝える方法【FPママが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「親が万が一のとき」の保障…親子で話すべきことは?

父「定期死亡保険(生命保険)の更新時期だ」

 

母「公的遺族年金や会社からの死亡退職金、そしていまある貯蓄では足りない分は、民間の保険で用意しないとね」

 

子「何なに? なんの話?」

 

母「パパに万が一のことがあったときに、いくらお金が必要かっていう話」

 

子「大事な話だね。いくら必要か計算するにはどうしたらいいの?」

 

母「出ていくお金は、遺族の生活費と子どもの教育費とお葬式代」

 

子「うちはいくらなの?」

 

母「遺族の生活費は、パパの分を抜くと月30万円×12=年360万円は必要。あと教育費は高校と大学の分、800万円×2人で1600万円。お葬式代で200万円かな。住宅ローンが終わっているから少しラクだね。入ってくるお金は、遺族が働いて得る収入、公的遺族年金、()め先からの死亡退職金」

 

子「収入はどうやって計算するの?」

 

母「公的遺族年金は、18歳未満の子どもがいれば、遺族基礎年金がもらえて、子ども2人だから年間約125万円。パパは会社員だから遺族厚生年金ももらえる。うちの場合は合算すると年170万円くらい。18歳以降、遺族基礎年金がなくなると、年100万円くらい」

 

子「大学時代の生活が厳しいね」

 

母「遺族の生活費は年360万円くらいだそうだけど、ママの収入が年に200万から260万円ぐらい確保できたら、公的年金と合算()すると、生活費はなんとかなるね」

 

子「あとは教育費とお葬式代だね」

 

母「死亡退職金は勤続()30年を超えているから、最低でも600万円はあるかな? 教育費は学資保険で400万円あるから、合計1000万円。だからあと800万円は必要だね」

 

子「800万円あるの?」

 

母「うん、あるよ。でも、ママの老後のお金や家の修繕費(の分、そして少し余裕の分として民間の保険を検討するよ。掛け捨て型の定期保険で、大学卒業までの期間だけ、死亡保険金を用意しようと思う」

 

子「掛け捨て型の保険って?」

 

母「保険の期間を決めて、そのあいだだけ死亡保障を確保する保険だよ。期間中に保険金を払うことが起こらなければ、何も受けとれないけど。ちなみに、一生涯の死亡保障をするのが終身()保険。死亡時には死亡保険金、その前に解約すると解約返戻()()としてお金が受けとれる。必ずお金が受けとれるから、貯蓄型保険とも呼ばれるよ」

 

子「貯蓄型保険のほうが、お金を確実に受けとれるからいいんじゃないの?」

 

母「その分、保険料が高いの。どちらがいいかは考え方しだい。うちは少ない掛金(で、必要な時期だけ保障が欲しいから、掛け捨て型(定期)保険を選んでる。ちなみにママも掛け捨て保険で、死亡時の保険金が400万円のものに入っているからね」