子どもにとって1年に1回のお楽しみである、年末年始の「お年玉」。いつもは手にすることのできない金額がもらえるため、管理をどうするべきか悩んでいる親世代も多いでしょう。子どもにお金のやりくりを学ばさせ、将来の役に立てるためには、一体どうすればいいのでしょうか? 本記事では、FPオフィスライフ&キャリアデザイン代表の山内真由美氏の著書『FPママの親と子で学ぶお金のABC:13歳からのマネーのレッスン本!』(河出書房新社)から、中学生の子どもに適切にお年玉を管理させる方法について解説します。
中学生になった子どものお年玉、どう管理する?FPママ「親が預かって全額貯金はNG」の理由 ※画像はイメージです/PIXTA

お年玉はいつ、どのように使うのが正解?

子「今年は年末年始に帰省しないから、お年玉集まらないだろうなぁ」

 

親「そうだね」

 

子「少し多くもらいたいんだけど、ダメ? 札幌のおじさん・おばさんの分と、札幌のばあちゃんの分が減っちゃうから」

 

親「う〜ん。そもそもお年玉は、必ずもらえるものじゃないからね」

 

子「なぜ、もらえるの?」

 

親「お年玉の由来はね、年末にお正月の神様である『()神様(としがみさま)』にお供そなえした鏡餅()を、家長()、つまり一家の主人が、お供えが終わったときに切り分けて、家族や使用人に渡したことみたいだよ」

 

子「お餅だったってこと?」

 

親「そう、諸説あるけど、餅を配る風習がいつのまにか、目上の人の所に目下の人が年始の挨拶に来たときに、ポチ袋に現金を入れて渡すようになったみたい」

 

子「そうか、年始の挨拶に来た人に渡す……」

 

親「だから何の理由もなしに増額するのは、ちょっとね……」

 

子「お願い! どうしたらいい? 何かする?」

 

親「じゃあ、年越しに欠かせない、大掃除をするのは、どう?」

 

子「大掃除か〜。でもふだんから掃除してるし、年末だからってする必要あるの?」

 

親「大掃除には、年末に家をキレイにして、気持ちよく新年を迎えるだけじゃなくて、自宅をすすはらいして、歳神様を自宅にお迎えするためでもあるんだよ」

 

子「へえ、やっぱり歳神様なんだね。わかった。何するといい?」

 

親「玄関掃除はどう?」

 

子「寒いな〜」

 

親「その分、お年玉はずむから」

 

子「どうやってするの?」

 

親「靴箱から靴を出して、外に干すの。ほこりをほうきで()きだしてから、靴箱のなかを固く絞った雑巾()()き掃除してほしいな」

 

子「了解~」

子どもに学んでほしい点は…

お年玉は1年に1回のお楽しみ! 祖父母や親戚のおじさん・おばさんに新年の挨拶をして、かわいいポチ袋をもらうとうきうきするよね。キチンとお礼をいって受けとりましょう。

 

そのときに気をつけてほしいのは、その場で開けて、金額を確かめないこと。いきなり目の前で開けるのはマナー違反だから、あとでゆっくり確認してね。親に預かってもらう人もいるけど、中学生になったら、自分で管理する人もいるよね。その場合でも、親に金額をちゃんと伝えておこう。