シニアからの「独立」は、体力・メンタル面で無理をしない
シニア世代と呼ぶことが憚られるほど今の50代・60代は元気です。しかしながら、30代・40代と同じようにはいかず、明らかに身体面で衰えています。たとえ今のところ健康上に大きな問題がないとしても、肉体を駆使するような仕事や精神的にストレスの大きい仕事は避けたほうが賢明です。
2022年8月発売の「週刊現代」で、「『ビンボー老後』を招く『65歳の壁』」という特集が組まれたことがあります。筆者もコメントを寄せているのですが、この特集記事では、「稼いでいるのに身体が壊れ、寿命が縮んでいく」悲惨な事例が紹介されています。
シニアからの職業としては、警備、マンション管理、清掃などが思いつきます。マンション管理の仕事の実態を記事からの引用で紹介します。
「働くついでに体も鍛えよう」などと考えて、炎天下での交通誘導員など、安易に体力が必要な仕事に就くと、長続きしないばかりかケガや病気を招きかねません。
さまざまな仕事にチャレンジしてみるのはよいことですが、自分の体力や適性も踏まえたうえで慎重に踏み出すことも必要です。シニアになってから体調を崩すことは避けなければいけません。安易に健康のためという考え方は危険です。
多額の初期投資が必要な独立は避ける
退職金をすべてつぎ込むような多額の初期投資が必要な「独立」も避けたほうが賢明です。「起業」ではなく「独立」の場合、ほとんどのケースでオフィス新設の必要はありません。自宅で十分です。“独立したら(元の会社の同僚が来ても恥ずかしくない)駅前の一等地に立派な応接セットをそろえたオフィスをかまえたい”と思う方もいらっしゃるかと思いますが、そこは見栄を張らずにガマンです。