ミドル・シニア世代に蓄積されている、「深化・進化」した知識

「座学知」と「経験知」はまったく異なる

まず、何よりも先にお伝えしたいのは、あなたが長年仕事をしながら蓄積してきた知識は、仕事の経験がなく座学で学ぶ知識や、新入社員が入社したてのころに学ぶ知識とは、内容・質・量・深さといった有用性が、まったく異なるということです。

たとえば、自動車販売の田村さん(仮名)の場合、同じ自動車に関する知識であっても、実際にお客様に説明したり、運転しながらお話しする内容は、決して座学では得られないレベルのものでしょう。お客様との会話や営業、アフターフォロー等、「経験を通じて」得られる知識に違いありません。

少し細かい定義で恐縮ですが、英語の「ナレッジ」を日本語にすると、「ナレッジ=知識」と翻訳されてしまいます。

一方で、英語におけるKnowledgeの本来の意味は、文字通り「経験を通じて得られる知識」です。

あなたには、さまざまな専門領域の知識だけでなく、専門分野に関連するさまざまな領域の知識、汎用的な知識も蓄積されています。

出所:『55歳からのリアルな働き方』(かんき出版)より抜粋
[図表]経験・実践による、生きた知識の広がり 出所:『55歳からのリアルな働き方』(かんき出版)より抜粋

上の図は、長年の経験や実践の蓄積があるからこそ、一般的な知識でない、生きた貴重な知識「経験知・暗黙知」が蓄積されている様子を表したものです。

この図は、今後、あなたの仕事の対象となる領域を広げ、ご自分でも「思わぬ新しい才能を開花させるヒント」となる貴重なものです。ぜひ、ご自身の知識を細かく棚卸しするための助けにしてみてください。

仕事をしてきた「エリア」の情報は、貴重な「無形資産」

じつは、「あなたは、仕事をどの地域(エリア)でしてきましたか?」という問いは、あなたが営業や技術のみならず、たとえ、どのような仕事をしていたとしても、もれなく活用することができる、貴重な「無形資産」です。

次に紹介するのは、Yさんが、実際にご自分が長年仕事をしてきた地域の知識・情報や人脈を活かして、その地域での活動が未経験の企業に価値を認められ、望まれて就職した事例です。