「役職定年」を間近に控えたビジネスマンのなかには、自分では気づいていない“特殊スキル”を有している人も少なくありません。人材開発コンサルタント田原祐子氏の著書『55歳からのリアルな働き方』(かんき出版)より、「自分では普通」だと思っていたスキルで“給与+αの収入”を得られるようになった、地方の中小企業に勤める“ベテラン会社員”の事例をみていきましょう。
もうすぐ50歳の中小企業係長「自分では普通」と思っていたが…給与+αの収入を生む“ベテラン会社員”の思わぬスキル【人材開発コンサルタントが解説】
「自分では普通」のスキルで役職定年後も収入キープ
本村さんは、もうすぐ50歳。ある地方の中小企業の総務部の係長です。
入社以来、ずっと総務部の所属で、人事や経理などひと通りの仕事をこなしてきました。社内で新しいサービスや製品を購入する担当部署でもあり、長年簡単な物品購入や選択の社内提案書作成などをこなしてきました。
また、本村さんが、社内で提案書を数多くこなすために考えた、「効率よく提案書を作成するためのテンプレート」は、社内の評判も上々でした。
自分では特に、提案書をつくるのは得意だという意識はなく、「普通にできるレベル」でしたが、あるとき、自分のスキルを「スキルシェアサービス」に登録したことで、本村さんのスキルに対する意識も生活も大きく変化しました。
本村さんは、M爺というビジネスネームで、自分のスキルを次の3つのメニューとして登録したのです。
「社内向け資料作成を長年手がけてきましたM爺です! よろしくお願いします」
・提案書や資料の校正・添削5,000円
・提案書のテンプレート販売5万円
・提案書の作成8万円
今では、月に1〜2件、多いときには4〜5件ほど注文が入ってきます。
定期的に「校正・添削」を依頼してくるリピート客もあり、お試しで安価なメニューの「提案書の校正・添削」を頼んできた会社が、後日「提案書の作成」を依頼してくるなど、月々の収入は3万円程度から、多い月には10万円を超えることもあります。
「これなら、役職定年後も収入減をカバーできそう」と、本村さんの奥さんのご機嫌もうるわしく、当分は安心して生活できそうです。