厚生労働省から令和5年の『賃金構造基本統計調査』の結果が発表され、最新の会社員の給与事情が明らかになりました。今回は役職者の給与事情をみていきましょう。
平均月55万円だが…40歳サラリーマン「部長に昇進、おめでとう!」と祝福を受けるも、罪悪感を覚える「給与額」

40代サラリーマンが部長に昇進「平均55万円」の月収だが…

サラリーマンでも部長にまで昇進すれば、年収1,000万円に手が届きそうになる……俄然、やる気になったのではないでしょうか。

 

――昇進、おめでとうございます!

――あっ、ありがとう……

 

42歳で部長に昇進した同僚を祝福しようと、行きつけの居酒屋に集まった仲間たち。平均よりも10歳も若い部長の誕生に、一緒に働く人たちも少々浮かれ気味。若くして昇進した存在は、希望であり目標になります。お酒が進むと、聞きにくいこともズバリ聞いてくる人も。

 

――結構、給与もあがるんですか?

――まあ、多少は

――いいな、夢があって

 

40代の前半の部長であれば、平均月収55.54万円、年収872.14万円。非役職者との給与差は、月収で20万円強、年収で300万円強にもなります。しかし昇進・昇給を果たした当の本人は、少々気まずそうな顔。

 

――部長といっても月収40万円もないし……

――本当であれば夢をみさせてあげたいが……何とも申し訳ない

 

昇進を祝福してもらいながら、なぜか後ろめたい気持ちになる給与額。部長職の給与(月収)分布をみていくと、中央値は47.09万円。上位10%になると月収87.55万円ですが、前出のサラリーマン部長のように「月収40万円以下」と、平均的な非役職者とそれほど給与が変わらない部長は、部長職全体の15%ほどになります。

 

――責任が増えてばかりで、給与は全然増えていかない

 

思わず「可哀そう……」と言ってしまいそうな“部長”は結構な数にのぼります。そんな状況を知ったなら、ますます「管理職にはなりたくありません!」という人が増えそう。とりあえず、今いる会社で本気で昇進を目指すかどうか、管理職の給与額を探ったほうがいいかもしれません。

 

[参考資料]

エン・ジャパン『管理職への意向調査』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』