「お酒を飲むと顔が赤くなる」という人は多いと思いますが、なかには「飲んでもまったく顔色が変わらない」という人もいます。実は、この「赤くなる」「赤くならない」の違いで、飲めるお酒の上限が変わってくると、『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』(KADOKAWA)著者で医師の尾形哲氏はいいます。その根拠と具体的な飲酒量について、詳しくみていきましょう。
人は“3種類”に分けられる…タイプ別「飲めるお酒の量」それぞれの上限は?【医師が解説】
「赤くならない人」はジョッキ3杯まで、「赤くなる人」は2杯まで
健康のために飲酒量はゼロがベストという結論が出てはいますが、お酒好きな人にとって、今日からお酒を飲んではいけませんと言われても現実はそう簡単ではありません。実際、飲酒によって得られるメリットもあり、いきなりゼロにしてくださいと言うつもりはありません。
ただし、健康リスクを極力上げない飲み方をするには、1日に飲んでよい上限を設けることが大切です。
飲んでも赤くならない人は、純アルコール量で60gを上限にしましょう。ビールならジョッキ3杯、日本酒なら3合、ワインならグラス4〜5杯が目安です。意外と飲める気がしませんか?
飲むと赤くなるけれどお酒が好きな人の上限は、純アルコール量で40gです。飲めるけれど肥満や糖尿病がある人も上限は40gにしましょう。
「上限までなら毎日飲んでいいんだ!」は早とちり
勘違いしてほしくないのは、上限を守って毎日飲酒することを推奨しているわけではありません。普段、これ以上の量を飲んでいる人は飲みすぎなので、減らす目安として提示しています。
なお、厚生労働省が「健康日本21」で節度ある飲酒量として明記しているのは、1日平均純アルコール量20gです。これに近づけることが理想ですが、まずはご自身の体質に合わせ、上限を守ることから始めてほしいと思います。
尾形 哲
医師
一般社団法人日本NASH研究所 代表理事