「お酒を飲むと顔が赤くなる」という人は多いと思いますが、なかには「飲んでもまったく顔色が変わらない」という人もいます。実は、この「赤くなる」「赤くならない」の違いで、飲めるお酒の上限が変わってくると、『肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方』(KADOKAWA)著者で医師の尾形哲氏はいいます。その根拠と具体的な飲酒量について、詳しくみていきましょう。
人は“3種類”に分けられる…タイプ別「飲めるお酒の量」それぞれの上限は?【医師が解説】
アルコール依存症の9割が“飲める”人
何かの機会に飲酒をしていた人が、毎日お酒を飲むようになり、次第に飲まずにはいられなくなったり、飲まないと手が震えたりする離脱症状が起こるのが「アルコール依存症」です。
アルコール依存症になる人のうち、87%はお酒が飲める「NN型」の遺伝子を持つ人です。自分はお酒に強い、飲める口だと自負し、量や頻度が増えがちなのです。
飲むと赤くなる人は「がん」のリスクが高い
赤くなるけれど飲める人は、アセトアルデヒドの分解が遅く、肝臓だけでなく食道や咽頭がんのリスクも高いことが知られています。上図は食道がん患者のアルコール分解における遺伝子型の割合を示したもので、毎日飲酒をする人のうち、飲める人(NN型)より赤くなるけれど飲める人(ND型)の割合が多いと示されました。