(※写真はイメージです/PIXTA)

タワマンといえば、以前は富の象徴でしたが、一部のプレミアム物件を除き、いまや一般のサラリーマン世帯が主要な購入者層になっているといいます。しかし定年後もローン返済は続き、完済は70代を迎えてから…というケースが多いとか。老後の安心を考えるなら、定年を迎えるころには完済したいもの。長岡FP事務所代表・長岡理知氏が事例をまじえながら、「40代でタワマンを購入→60歳定年前に完済」するためのマネープランを考えていきます。

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40代半ばでタワマン購入を検討する「普通のサラリーマン家庭」

ここ数年、価格が高騰し続けているタワーマンション。資産性の高さもあって、いまとてもよく売れています。60代のリタイア世代がオールキャッシュで購入しているケースが目立ちますが、30~40代の現役世代が住宅ローンを借りて購入しているケースも少なくありません。

 

タワーマンションは決して安くはありません。特に定年退職というゴールが見えてくる40代半ばで購入するのは勇気がいるでしょう。子どもの進学費用の準備、自分の老後費用の準備、そして住宅ローンの金利上昇リスクに備えること。それらをすべてやりくりして、これからの人生をゆとりあるものにすることは可能なのでしょうか。考えていきましょう。

 

【Aさん世帯の概要】

夫Aさん:44歳 会社員 年収850万円

妻Bさん:41歳 会社員(時短勤務)年収380万円

長女:12歳(小6)

次女:9歳(小3)

現在の貯蓄額:3,000万円

 

夫は昇給あり:退職金3,000万円(60歳)退職後は65歳まで再雇用・年収420万円

妻は昇給なし:退職金1,000万円(65歳)

 

購入物件価格:7,000万円

自己資金:2,000万円

住宅ローン借入額:5,000万円

 

夫Aさんは大手建設会社に勤める会社員です。結婚してから今まで15年ほど賃貸で暮らしてきましたが、長女の中学校入学を機会に持ち家を検討し始めました。中学校卒業までは公立を予定しているため学区を変更したくないという希望があり、最寄りの駅前に建設中のマンションを購入する予定。価格は7,000万円です。

 

自己資金は2,000万円。住宅ローンはメガバンクから事前審査OKをもらっていて、変動金利で0.345%、5,000万円の借入れです。Aさん・Bさん夫妻が希望していることと、不安に思っていることは次の通りです。

 

【希望】

・60歳の定年退職時(15年後)に完済したい

・子ども2人は高校から私立に通わせたい

・奨学金は借りさせたくない

・車は1台保有し続けたい。高級車でなくてもいいが大きさは必要

 

【不安】

・子どもの教育費は確保できるのか・どのくらい必要か

・夫婦の老後生活にどのくらいの貯蓄が必要か

・住宅ローンは15年返済にすべきか、もっと長い方がいいのか

・住宅ローンの金利は上昇するものとして考えたい

 

前提となる家計の明細は次の通りです。

 

◆生活費:月24万円

・自動車購入費:10年ごとに350万円(80歳まで)

・旅行など家族イベント:毎年50万円(生涯)

・管理費・修繕積立金:年間60万円

・エアコン・給湯器交換:10年ごとに70万円

・火災保険:5年ごとに20万円

・生命保険:現状…毎月10万円(①のパターン)、見直し後…月2万4,000円(②③のパターン)

 

◆子どもの教育費

・高校(私立):3年間で333万円

・大学(長女・私立理系・自宅から通学):4年間で826万円

・大学(次女・私立文系・自宅から通学):4年間で662万円

 

◆住宅ローンの金利の変動推移

・1年~5年目:0.345%

・6年~10年目:0.6%

・11年目以降:1%

(125%ルールは考慮しない)

※住宅のリフォーム費用・子どもの運転免許取得費用は考慮しません

分析① 15年返済・家計改善なしの場合

まず現状の家計収支のまま「15年返済」でキャッシュフローを分析してみました。…

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを一部抜粋・転載したものです。