2024年から新NISAがスタート。これをきっかけに資産形成をスタートさせた、という人も多いようです。一方で新NISAというと、ネガティブな意見も多く聞かれます。なぜなのでしょうか。みていきましょう。
30~50代の5人に1人が「新NISAを始めました!」でも…「新NISAはやめておけ」といわれる7つの理由

新NISAのポイント、5つ

資産形成の重要性、自助努力の必要性が叫ばれるようになってから数年経ちましたが、2024年から新しいNISA制度(以下新NISA)がスタートし、本格的に「貯蓄から投資」の時代が到来するといわれています。

 

金融庁『NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査』の最新結果によると、2023年9月末時点での総合口座数は2,034万7321口座(一般NISA1,128万4,963口座、つみたてNISAは906万2,349口座)で、2022年末時点から13%ほどの増加となっています。2024年からは新しいNISA制度がスタートし、NISAへの関心が上昇。口座数も大きく増えるのではないかとされています。

 

新NISA制度の内容を詳しく見ていきます。ポイントは以下の5点。

 

1.一般NISA(成長投資枠)とつみたてNISA(つみたて投資枠)の併用が可能に

旧NISAは、年間投資上限額が120万円で非課税保有期間が5年間の「一般NISA」と、年間上限額が40万円で非課税保有期間が20年間の「つみたてNISA」の2種、どちらかを選択するものでした。新NISAでは、一般NISAは「成長投資枠」、つみたてNISAは「つみたて投資枠」と名称を変え、併用できるようになりました。

 

2.年間投資上限額が最大360万円に

旧NISAの年間投資上限額は、一般NISAで120万円、つみたてNISAで40万円でしたが、新NISAでは360万円(成長投資枠240万円、つみたてNISA120万円)に拡充。

 

3.生涯非課税限度額が最大1,800万円に

新NISA制度で新設となった「生涯非課税限度額」は、買付金額ベースで合計1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)に設定。売却した場合は買付金額分が復活する。

 

4.非課税保有期間の無期限化

旧NISAでは非課税保有期間が一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間。新NISAでは、成長投資枠・つみたて投資枠ともに非課税保有期間は無期限に。

 

5.制度の恒久化

一般NISAは2023年まで、つみたてNISAは2042年までとされてきたが、新NISAでは恒久化。

 

株式会社バイアンドホールドが30~50代男女に聞いた『スタート1カ月での新NISA利用の実態調査』で、「新NISA口座を開設していますか」と聞いたところ、「開設している」が22%。5人に1人の水準です。さらに「今後開設する予定」は17%でした。

 

さらに「新NISA口座を開設している」の回答者に「つみたて投資枠と成長投資枠のどちらを利用していますか」と聞いたところ、「つみたて投資枠」が46%、「つみたて投資枠と成長投資枠を併用が30%、「成長投資枠」が16%。また「具体的にどのような商品に投資していますか」と尋ねたところ、「投資信託(米国株)」が37%、「投資信託(全世界株)」が33%、「個別株(日本株)」が32%と3強。「投資信託(日本株)」18%、「個別株(米国株)」14%、「投資信託(バランス型)」12%と続きました。