ネット上でたびたび話題になる、道に置いてある(捨てられている⁉)赤い封筒。「絶対拾うな!」と注意が呼びかけられていますが、一方で、赤い封筒がポストに入っていたという投稿も。その正体も、実に恐ろしいものでした。みていきましょう。
20万人の自宅に投函された「赤い封筒」、そのうち1万2,784人に訪れた「恐ろしい出来事」

日本年金機構からの「催告状」…「青」→「黄色」→「赤」と変わっていった先の末路

――とうとう俺にも赤い封筒が届いた

 

そう投稿したのは、月収20万円ほどだという男性。厚生年金には入っていないため、自分で国民年金保険料を払う必要があります。どうしても月1万6,250円の保険料が払えないときがあり、一度滞納したことをきっかけに「払うのが面倒くさくなった」といいます。

 

国民年金保険料は納期期限から7ヵ月以上の滞納が続くと、青い封筒に入った「特別催告状」が届きます。これは「年金保険料が未納なので、払ってくださいね」と注意を促すようなもの。それでも保険料を払わないでいると、今度は黄色の封筒に入った「特別催告状」で、「保険料を滞納してます! 払って!」と、より強めにプレッシャーをかけてきます。

 

それでも保険料を払わないでいると、とうとう「赤い封筒」に入った「特別催告状」が届くことになるのです。青い封筒の催告状が届いてから赤い封筒の催告状が届くまで、およそ1年ほど。赤い封筒に入った催告状は、最終警告のようなもので、2022年には19万件近くが送付されたとか。次の段階が、延滞金がかかることや財産が差し押さえになることが記された「催促状」。2022年には13万件近くに送られました。そして実際に財産の差し押さえに至ったのは、2022年には1万2,784件。ポストに赤い封筒の入った人たちの7%ほどです。

 

財産が差し押さえになるどうなるのでしょうか。たとえば給与は満額もらえなくなり、一部を受け取れなくなります。 保険料が完納となるまで、毎月給与の一部が差し押さえられ、国民年金の納付にあてられるのです。

 

そんなことにならないよう、もし保険料の納付が経済的に厳しいのであれば、保険料の猶予や免除の申請を行うのが鉄則。無届けで保険料を滞納すると、最終的に恐ろしい事態を引き起こします。まずは年金事務所に相談するようにしましょう。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和6年度の年金額改定について』

厚生労働省『令和2年 国民年金被保険者実態調査』

​厚生労働省『令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況を公表します』