ユーロドルとドル円は、FX初心者にオススメの通貨ペアとして多くのメディアで紹介されています。なかには、「取引しやすそうだから」という曖昧な理由でトレードを始めた人もいるでしょう。しかし、これにはしっかりとした理由があるのです。どんな理由でしょうか? 株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。
FX初心者の通貨ペアは「ユーロドル」「ドル円」の二択…その納得の理由【月利30%トレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

世界の通貨流通量を考える

世界には、私たちに馴染み深い「円」のほかにドルやユーロ、ポンドなどさまざまな通貨が存在します。では、一番取り扱いの多い通貨はなにかと問われたときに、どの通貨が思い浮かぶでしょうか? 

 

世界一流通量の多い通貨は「ドル」です。ドルは世界の基軸通貨ともいわれていて、世界の通貨の流通量のうち約半分をドルが占めています。私たちの経済活動に欠かせない原油や燃料などのエネルギーのほとんどは、ドルを用いて取引されています。世界中の多くの商品は、自国の通貨からドルに両替したうえでトレードされているのです。

 

世界の通貨流通量の約半分を占めるドルに続き、2番目に取引されているのが「ユーロ」です。それに続き「円」がランクインしています。

 

FX初心者にドル円とユーロドルがおすすめされる理由のひとつとして、通貨の流通量が理由として挙げられます。次に、通貨の流通量が多いとなぜトレードしやすいチャートになるのかを解説します。

流通量が多いほど値動きは平均化される

ドルやユーロのように、取引量が多い通貨がFX初心者におすすめされる理由のひとつが「取引量が多いほど通貨の値動きは世界経済の動向に沿って平均化されるから」です。通貨の両替を行うFXは、世界経済の動向とリンクする瞬間が多々あります。経済の動向を無視してトレードでいい結果を出すことは難しいでしょう。

 

先ほど、基軸通貨のドルに両替してからさまざまな商品を買うということを述べました。例外もありますが、景気がよく次々に商品が買われていく場合、ドルの需要が高まり、ドル高を招きます。円安が海外需要を巻き込み、海外での売り上げが大きくなると、日経平均株価は上昇し、ドル円も相関するかのように上昇する傾向にあります。

 

流通量の多い通貨は、海外投資家や大企業、ファンドなどさまざまな市場参加者が監視しています。さらに、流通量の多い通貨には大きな資本を持った市場関係者が介入します。市場参加者の多い通貨は、一部のトレーダーの意思ではなく、多くの市場参加者の思惑によって値動きが平均化されます。

 

値動きを監視し合う参加者が多ければ多いほど、極端な値動きになることが少ないので、初心者トレーダーにおすすめできる通貨となるのです。