平均的な日本人にとって、マイホームはいつか叶えたい夢。多くは余裕のある返済プランでマイホームを叶えているものの、30年に及ぶローン返済のなかで、色々な危機に直面するでしょう。住宅ローン返済世帯が抱える難問についてみていきます。
月9.3万円の返済だが…46歳の子持ち夫婦、思わず言葉を失う「住宅ローンの利息額」

30年に及ぶ住宅ローン返済生活「このまま低金利」は非現実的

またマイホーム購入を検討するなら、考えておきたいのが「金利」。世界的な利上げで、金利上昇への不安が広がり、「低金利も終わるのでは」という憶測が広がりました。いまのところ日本では固定金利では引上げの動きがあるものの、「低金利」の状況は続いています。ただローン返済が30年に及ぶなか、当初の金利のままというほうが非現実的です。日本はこの低金利をどのように終わらせるかという難問に直面していますが、違う見方をすれば、この低金利はいずれ終わることが確実だということです。

 

仮に借入額が3,300万円で、30年返済(元利均等返済)で、金利は0.5%だとすると、月返済額は9万8,732円。利子分は254万3,539円。金利が0.1%上昇し、0.6%になると、月返済額は10万0,186円、利子分は306万7,116円と、50万円近く高くなります。金利が0.5%上昇して1.0%になったら、月返済額は10万6,141円、利子分は521万0,559円と、倍近くの利子を払うことになります。金利が1%上昇して1.5%になったら、月返済額は11万3,889円、利子分は800万0,121円と、ちょっとした高級車が買えてしまいます。あまりに低金利に慣れ切ってしまい、金利上昇によりどれほどの影響があるかピンと来ていない日本人にとって、急激な返済額の増え方には言葉を失ってしまうかもしれません。

 

多くの専門家は金利上昇に対して警鐘を鳴らすも、「過度な心配はしなくてもいい」というのが大方の見方。しかし長期にわたるローン返済、何があるかは誰にも分かりません。万が一、金利が上昇したらどう対応するかシミュレーションをしつつ、無理のないカタチで繰り上げ返済を駆使して、早めの返済を目指すのが、安心への近道だといえるでしょう。

 

[参考資料]

総務省『家計調査 家計収支編』(2023年度平均)

国土交通『2022年度 住宅市場動向調査』

不動産経済研究所『首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023 年のまとめ』