会社員として50代に突入すると、自分のキャリアの天井がみえてきます。そんななか、会社が退職金の割増しを条件に「早期退職」を募集したら……思わず手を挙げてしまうという人も少なくないでしょう。ただ、人によっては割増し額以上に損することも。『ただの人にならない「定年の壁」のこわしかた』(マガジンハウス)の著者で公認会計士の田中靖浩氏が「早期退職してはいけない人」の特徴を解説します。
割増しの退職金に、思わず「辞めます!」…定年前の早期退職“絶対にNGな人”の特徴【公認会計士が警告】
割増しの退職金に思わず「辞めます!」…“無計画な早期退職”は絶対NG
世の中には「今だけ」の割増し退職金に目がくらんで、つい勢いで早期退職に手を挙げる人がいます。こうした勇ましい方の場合、本人ではなく、その奥さんから相談されることが多いです。「うちの旦那、次の仕事も決まってないのに大丈夫かしら」と。
“早期退職に応募してはいけない人”の特徴
いまさら後の祭りなので仕方なく応援のメッセージを送りますが、もしこれから早期退職を考える方がいたら言わせてください。次の仕事も決まっていないのに早期退職に応募してはダメです。「なんとかなるさ」と思っているなら、あまりに無知で無謀です。
その早期退職はタチの悪いバクチ。50代の人間が転職するのは簡単ではありません。辞めてすぐフリーランスになれるかといえばそれも絶対に無理です。
転職するにはしっかりした準備が必要であり、フリーランスとして仕事をするならさらに周到な準備が必要です。モノを売る商売やレストラン、クリーニングなどであれば必要な設備を揃えてから商売を始めます。
それに対して最近の知識系サービス業は設備投資ほとんどなしで開業できます。だからこそ「開業前にしっかりと考えないといけない」のです。
設備投資なしで手軽に開業できるサービス業には、その手軽さゆえにライバルが山ほどいます。あまたのライバルに負けないためにどんな作戦で臨むのか。それをしっかり考えないと商売になりません。
また定年後に仕事することを目指す「令和フリーランス」であれば、それほどお金を稼ぐ必要がありませんが、早期退職してフリーランスになるのであれば、それなりの金額を稼がねばなりません。それは決して「すぐにできる」話ではありません。
「とりあえず早期退職してから考える」のは絶対にNGです。