2023年上半期、転職入職率は5.5%。100人が働く会社であれば、5人が転職者として入社してくる、というもの。いまや転職は珍しいことではありません。しかし転職初日の手続きでつまづくケースは多いのだとか。みていきましょう。
「年金手帳を持ってきてください」「えっ⁉」月収37万円・40代サラリーマン、転職初日に懺悔…「年金手帳」を紛失した場合の対処法

転職初日のつまづき…「年金手帳の提出」を求められたが、どこにあるか分からず

40代、これまでのキャリアを引っ提げて初めての転職。しかし、新天地で早々につまづいてしまう人が多いといいます。そのきっかけになるのが転職時の手続き。退職日の翌日に転職先へ入社する場合、多くの転職先で「①マイナンバー」「②雇用保険被保険者証」「③源泉徴収票」「④基礎年金番号のわかるもの」「⑤扶養控除等(異動)申告書」「⑥健康保険被扶養者(異動)届」「⑦給与振込先届出書」の提出を求められます。このなかで「えっ⁉」となりがちなのが「④基礎年金番号のわかるもの」です。

 

基礎年金番号は健康保険や厚生年金の手続きの際に必要になるもの。多くの企業で

 

――年金手帳をもってきてください

 

と言われることが多いでしょう。年金をもらうなんて当分先の話だから、年金手帳がどこにあるのか……そもそも、年金手帳という存在をいわれて初めて認識する人もいるかもしれません。転職先では順調な滑り出しを切りたいところですが、「すみません、年金手帳、無くしたみたいで……」と平謝り。いきなりつまづいてしまうケースが多いのです。

 

もしどんなに探しても見つからない場合、最近は「基礎年金番号が分かれば結構です」とか、「マイナンバーでも結構です」という会社も多いようです。その場合は年金手帳がなくても大丈夫。

 

「基礎年金番号が分かればいい」という場合、「ねんきんネット」にアクセスしたことがある人であれば、そこで基礎年金番号を確認することができます。また住所地の役所の国民年金課や年金事務所などで教えてもらう方法も。本人確認できるものを持参すれば、調べてもらうことができます。

 

このように、最近は年金手帳がなくてもなんとかなるので慌てる必要はありません。しかし「やはり手帳を手元に持っておきたい……」という人もいるでしょう。しかし2022年4月に年金手帳は廃止となり、再発行をしてもらうことはできなくなりました。代わりに「基礎年金番号通知書」が発行されるようになったので、きちんと保管しておきましょう。

 

また年金手帳は廃止になったとはいえ、そこに記載されている「基礎年金番号」は年金の手続きの際に必要になるもの。今後「マイナンバーカードがあれば大丈夫」ということになりそうですが、新規発行が廃止となった年金手帳、引き続ききちんと保管しておいたほうが何かと安心です。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年上半期雇用動向調査結果』

厚生労働省『令和2年転職者実態調査』

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

日本年金機構『基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について』