(※画像はイメージです/PIXTA)

風邪をひいたら生姜、といわれるように、体を温めてくれる生姜には健康によいイメージがありますよね。実際、生姜にはどのような健康効果があるのでしょうか。本記事では、実は万能薬というべきほどにさまざまな効能持っている生姜の、健康効果やおすすめの食べ方などについて、医師の石原新菜先生が詳しく解説します。※本稿は、健康、食、暮らしをテーマに、専門家による「すぐに役立つ」情報を届けるサイト『AUX Magazine』からの転載記事です。

生姜に含まれる栄養素

 

 

 

殺菌作用や免疫力向上などさまざまな健康効果が期待できる生姜には、多くの栄養素が含まれています。その中でも、辛み成分であるギンゲロール(ジンゲロール)は生姜に特有の栄養素で、末梢血管を開いて血流をよくする効果があります。また、香り成分のシネオールは私たちの精神を落ち着かせ、リラックスさせてくれます。そのほか、食物繊維やビタミンC、ビタミンB1、B2などを含んでいます。

まさに万能薬!生姜のさまざまな健康効果

日本でも昔から薬味として使われてきた生姜には、実にさまざまな薬効があります。

 

①血流をよくする
②胃腸の働きを助ける:消化吸収がよくなります
③食欲を増進する
④体を温める
⑤お腹の調子を調える:お腹にガスがたまりやすい人や、下痢、便秘の人にも効果があります
⑥殺菌作用:お寿司のガリは魚による食中毒を予防するものです
⑦抗ウイルス作用
⑧吐き気を抑える:妊娠中のつわりや乗り物酔い、また抗がん剤の副作用を和らげます
⑨生活習慣病の予防:血圧・血糖値・コレステロールを下げる効果、血液をサラサラにする効果があります
⑩アレルギーを抑える
⑪痛み、炎症を抑える:慢性の腰痛、ひざの痛みや、リウマチの関節痛に効果があります
⑫免疫力向上

 

また漢方の観点からは、生姜は気の流れをよくするため、うつ病や不眠にも効果があると考えられています。実際、およそ150種ある漢方薬のうち7割には生薬として生姜が使われています。

加熱・乾燥で成分が変化

 

 

生姜のギンゲロールは、加熱または乾燥させることでショウガオールへと変化します。ショウガオールになると体を温める効果がさらに高まるため、冷え性の人は粉末生姜を使ったり、生の生姜であれば熱い紅茶やお鍋に入れるなど加熱して食べるのがおすすめです。

一日あたり20グラムを複数回に分けて食べよう

アメリカの食品医薬品局(FDA)が「ジンジャーは副作用がないハーブ」だと定めているように、生姜はたくさん摂ってもまったく問題のない食材です。生姜は代謝を上げるので、食べるとお風呂に入ったときのように汗が出たり脈が速くなったりすることもありますが、時間とともに元に戻るので心配ありません。

 

もっとも、辛みが刺激になるので、胃が弱い人は摂り過ぎに気をつけてください。自分にとってちょうどよい量、美味しく食べられる量を食べましょう。

 

一日に摂ってほしい生姜の量は20グラムで、これはだいたい親指2本分ぐらいの大きさです。粉末生姜であれば重さは10分の1になるので、一日たったの2グラム(1円玉2枚分)摂ればOKです。もちろん、好きな人はたくさん食べてくださいね。

 

生姜の効能は3時間から4時間くらいしか持続しないので、料理や飲み物などに入れてこまめに摂取するのがおすすめです。

次ページ生姜のおすすめの取り入れ方