最新調査にみる「65歳以上夫婦」1ヵ月の生活費
厚生労働省『簡易生命表(令和4年)』によると、2022年の日本人の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳。また生存率でみていくと、男性が80歳まで生きられる確率は64.37%、85歳で48.20%、90歳で28.08%、100歳で2.11%。女性が80歳まで生きられる確率は83.66%、85歳で73.79%、90歳で56.90%、100歳で11.03%です。
「人生100年時代」といわれるものの、夫婦ともに100歳まで生きるというのは、かなり難しいことのように思えるでしょう。ただ可能性がないとはいえず、老後に備えるなら想定以上に長生きした場合を見据えておきたいものです。
以前「老後資金2,000万円不足問題」が大きな話題になりました。その影響は凄まじく、いまや「老後を見据えた貯蓄の目標額」を聞かれたら「夫婦で2,000万円!」という回答が平均値となりました。
この金額、総務省による『家計調査 家計収支編』の数値を基にしたもの。65歳以上の夫婦のみ世帯が、65歳から95歳まで健康に暮らしたとしたら、いくら不足するかを試算したもので、当時、参照にした統計では月5万円ほどの不足、30年で2,000万円近く不足する、と導き出されたものでした。先日、家計調査の最新結果である2023年の平均値が発表されたので、それを元に改めて「老後に必要なお金」を考えてみましょう。
65歳以上の無職の夫婦、1ヵ月の平均支出=生活費は25万円ほど。その内訳は下記の通りです。
【65歳以上の無職の夫婦の1ヵ月の平均支出】
消費支出…250,959円
(内訳)
食料…72,930円
住居…16,827円
光熱・水道…22,422円
家具・家事用品…10,477円
被服及び履物…5,159円
保健医療…16,879円
交通・通信…30,729円
教育…5円
教養娯楽…24,690円
その他の消費支出…50,839円
これはあくまでも平均値。住んでいる地域や、持ち家/賃貸、さらにライフスタイルなどによって何にいくらかかるかは異なります。あくまでも「高齢夫婦の暮らしの平均値」として捉えることが重要です。