年金支給日まであと1週間ほど。ウキウキがとまらない日々を送っている年金生活者もいれば、「支給日前が本当に苦しい」というケースも。年金受給額が少なく、預貯金も心許ない、でも生活保護も受けられない……八方塞がりの高齢者の実情をみていきましょう。
地獄です…年金月8万円・70代男性「年金支給日まで残り1週間」財布の中には20円、生きるのもしんどい【年金生活の現実】

原則、偶数月の15日は「公的年金の支給日」だが…

日本年金機構から届く、「大切な書類です」と記された緑色の封筒。そのなかに入っていたのは「年金請求書」でした。

 

特別支給の老齢厚生年金の受給権(年金を受け取る権利)が発生する人や、65歳に老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給権が発生する人に対して、支給開始年齢の3ヵ月前に「年金請求書(事前送付用)」が送られてきます。年金請求書に必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、添付書類とともに年金事務所に提出。年金請求書の提出から1~2カ月後に「年金証書・年金決定通知書」が届き、さらにその1~2カ月後に「年金振込通知書・年金支払通知書または年金送金通知書」が届き、年金の受け取りが始まります。

 

年金は受給権が発生した月の翌月分から受け取ることができ、原則として偶数月の15日に前月と前々月の2ヵ月分の年金が振り込まれます。15日が土・日・祝日のときは、その直前の平日に振り込まれます。

 

――あと1週間もあるのに財布に20円しかない……地獄だね

 

年金支給日まで1週間というなか、苦しい実情を吐露する70代の男性。月の年金額は月8万円ほどで、500万円ほどあった貯蓄はどんどん減っていき、底をつくのも時間の問題だといいます。唯一の救いは、公営団地の家賃が月8,000円と格安なことだといいます。

 

――生活はかなり苦しいね

――生きていくのが、本当にしんどい

 

以前は日雇いのバイトをして苦しいときをしのいだといいますが、コロナ禍で仕事が激減。最近は再び仕事が増えたと聞いていますが、「もう体力的に難しいかな」と、年金だけでどうにかするしかない日々が続いているといいます。

 

厚生労働省『令和4年 国民生活基礎調査』によると、所得の100%が公的年金という高齢者は44.0%。80~100%は16.5%で、合わせると高齢者の6割を超えます。日本には年金への依存度の高い高齢者が実に多いのです。