外食をしようとしたとき、多くの人が使用するグルメサイト。口コミや点数が表記され、比較検討の参考になりますが、それを巡って裁判沙汰となっています。ここにどのような問題がはらんでいるのでしょうか。世田谷用賀法律事務所、水谷江利弁護士の解説です。
敗訴から勝訴へ…「デジタルプラットフォーマー」のアルゴリズム変更、高裁の判断 (※画像はイメージです/PIXTA)

デジタルプラットフォームに対する、公正取引委員会の動き

食べログをはじめとする、オンラインサービスの「場」を提供して利用者と企業をつなぐシステムを「デジタルプラットフォーム」といいます。デジタルプラットフォームについては、その評価の適切性がそれを利用とする店舗側から繰り返し呈され、2020年ころから、公正取引委員会の側も、問題意識を示してきていました。特に一般消費者向けの店舗が、なんらかのプラットフォームを利用して一般に遡及している状況はここのところ顕著です。飲食系には食べログのほかにも多数のサイトがありますし、ホテルも同様で、美容系には「ホットペッパー」などがありますし、我々弁護士にも 「弁護士ドットコム」などがあります。また、Google上の事業者評価も同様でしょう。

 

今回は、プラットフォーム会社の側の裁量が広く認められたものになりましたが、今後公正取引委員会が個別に違反の認定することがありうるのか、今後の動向が注目されます。

 

EUではデジタルサービスに対する法律の適用が開始

また、2024年2月17日以降には、欧州連合(EU)において、デジタルサービス(法律原文では「inetermediary services」)プラットフォームサービスを提供する場合には、

 

①個人のデータの保護

②AI規制

③データ共有規制

④データセキュリティ義務の設定

⑤違法コンテンツの規制に関する各規定を含む、プラットフォーマーの役割及び責任

 

を定めてデジタルサービス法(Digital Services Act)の適用が開始されます。近い将来、日本においても上記の①~⑤に関しては規制がされる可能性が高く、筆者も同法を参考に規制の方向性について研究をしています。