国が定めている「医療用医薬品に関するガイドライン」
しかし、製薬会社にとっては薬が売れるかどうかは会社の業績に大きく関わりますし、そのためには“どんな手でも使って医療機関に売り込みたい”というのが本音です。法的な規制などがなければ、こうした「癒着」はゼロにはならないでしょう。
そこで厚生労働省が2018年に作成したのが、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」です。
これは、医薬品を医療従事者が適切に使用・判断するために作られたもので、主に
●医薬品の効能・効果や副作用など、科学的および客観的根拠に基づいた正確な情報を提供すること
●不適正使用や誤使用を誘発しないようにすること
の2点が盛り込まれています。また、以下のような行為は禁止となっています。
虚偽の情報提供
製品に関する誤った情報や証拠が不足している情報。科学的根拠がない効能を宣伝することは禁止されています。
誇大広告
製品の効果を実際以上に大きく宣伝する行為。たとえば、副作用のリスクを意図的にすべて言わず説明することは適切ではありません。
不適切な贈与や接待
医師や医療従事者に対し、不当な贈り物や接待を行うことも禁止されています。これは、医師の処方決定に影響を与える可能性があるためです。
不適切な販売促進活動
医療用医薬品の販売を目的とした不適切なマーケティングや宣伝活動は禁止されています。たとえば、医薬品を無条件に推奨するような行為は許されません。
医師への不適切な影響
医薬品の処方を不当に促進するような行為は、医師の独立性を損なうため禁止されています。たとえば、特定の医薬品を使うことに対して金銭的なインセンティブを提供することは適切ではありません。