「暗記ではなく理解して記憶する」大人の脳の使い方

理解系脳番地とともに、感情系脳番地も一緒に動かすと、より海馬が長期記憶に送ってくれやすくなります。

友情を描いた映画を観てとても感動した。これを英語で言いたい。だから文法を調べる。「なるほど、こう言えばいいのか」と理解する。

英会話のオンラインレッスンで、仕事相手との話題の幅を広げるため趣味のサッカーについて語りたいと思ったら、事前に話したい内容を調べて「こんなシーンでは、こういう言い回しもできるのか」と理解する。

体験をベースとした理解は、第3回の記事でも触れたエピソード記憶に理解を上乗せするような形で、長期記憶として保管されます。

(関連記事:第3回『大人になると、付箋を貼っても線を引いても覚えられない!?…学生時代とはちがう「大人の記憶力」がアップするヒント』

また、英語の文章を読みながら「なぜここでcanが使われているのかな」と自分から疑問を探しにいくことも重要です。

わざわざ調べるきっかけを自分で作り、「can」を使うシチュエーションへの理解を深めるように自分を仕向けていき、自家発電によって理解するチャンスを増やしながら親密度を高めていくのです。

「なるほど、そういうことだったのか!」という瞬間こそが理解系脳番地が働いているときであり、脳が活性化しているタイミング。

理解系脳番地の働きによってあなたの脳は大いに刺激されています。

大人の脳は、暗記ではなく理解して記憶する。

このコツを応用する形で勉強すれば、これまでと同じテキストを使っていても、その効果は何倍にも跳ね上がります!

加藤 俊徳

加藤プラチナクリニック院長/株式会社脳の学校代表

脳内科医/医学博士