新しいことや、とっつきにくい分野を勉強する際、いきなり難解な専門書に取り組むのはご法度! 今回は好きを引き寄せながら学んでいくコツについて、著書『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)より、 加藤俊徳氏が解説します。
「あ、これ知っている」と思うページからでOK!…新しい分野に触れるときに使いたい“脳の特徴”【脳内科医が解説】
覚えたい知識と少しずつ顔馴染みになっていく
将来を見据えて、これまで接点のなかった分野の資格をとろう。転職に有利になるように、合格率の低い資格試験に挑戦しよう。勉強の難易度が高くなるほど、好きになるハードルは高くなるような気がしますよね。
そこでもう1つ、好きを引き寄せながら学んでいくためのアドバイスをしましょう。
視覚系と聴覚系には、顔馴染みのものを磁石のように引き寄せて、選択的に見聞きする働きがあることはすでにお伝えしたとおりです。
この磁石の引き寄せる力を使い、まずは「小さな接点」を見つけるのです。
「あ、これ知ってる!」「聞いたことあるかも!」という情報は脳にとって親密度が高く、ポジティブな気持ちで迎え入れることができます。
また、すでに知っていることに関連した情報は、おのずと理解力も高まります。
「完璧にはわからないけど、なんとなく言いたいことはわかった」。これくらいの認識があれば、小さな接点の役割としては十分です。
小さな接点を見つけよう、という気持ちで勉強をスタートさせた場合、いきなり分厚い参考書を手にとる人はいないでしょう。
小さな接点をつぶすような難解な書籍や参考書、苦手意識を強めるだけの問題集は御法度!
私自身がそうだったのですが、活字が苦手だというのであれば、わざわざ分厚い参考書を最初から選ぶ必要も全くなし!
理解への入り口というスタンスであれば、子ども向けに描かれたマンガや噛み砕いて説明してくれるYouTubeなどの動画も選択肢に入ってきます。
むしろそれらのほうが、親密度を高める取っ掛かりとしては優れているとも言えます。
「ちっとも興味が湧かないし、全く理解できない。」→「聞いたことあるかも?」くらいになれば、小さな接点が作れた証拠です。
短時間で一気に富士山の山頂には登れないように、まずは3合目、次は5合目と自分の身体を慣らしながら登山をしたほうが、その道のり自体も楽しむことができるように、勉強も楽しみながらのほうが確実に身につきます。