離婚した夫婦。子どもがいる場合、「子どもとの面会」で調整がうまくいかず、揉めることがあります。そこで考えたいのが「アプリの活用」。離婚した夫婦において「子の面会調整」にアプリは有効なのか、世田谷用賀法律事務所、水谷江利弁護士の解説です。
別れた夫(妻)とは話したくないが…離婚した夫婦「子との面会調整」にアプリは有効か?【弁護士の解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

面会交流の調整にあがってくる議題

実際の面会交流の調整の現場において、特に父母の間で議題となる点を考えてみました。実際はそんなに多くないことがわかります。

 

・固定日・時間帯を予め決めておくか

・固定日・時間帯がない場合、どちらの親が先に日程・時間帯の発案をするか

・提案を受ける側は、諾否のほかにも、変更の申し入れができるか

・予め合意できた頻度以外に、追加日時の提案ができるか

・固定または調整の上で決まった日時に面会が何らかの事由で行えなくなったとき、代替日を設けるか設けないか

・当日の連絡手段をどうするか(別途LINEやSMSを可とするかどうか)

・子供が二人以上いる場合、一人不可の場合にもう一人について予定した日に行うか、あるいは全体として行わないか

・お泊りOKか、NGか

・(面会とは別に)学校などの行事ごとへの参加ができるか、できないか

 

これらのことをすべてアプリ内では難しいのかもしれません。

煩わしさが減り面会交流の実施への障壁を下げる?

しかしながら、このうちのいくつかについてでも、決まったプラットフォームの中でやりとりができれば、離れて暮らす父母の間の不要ないざこざは減ります。それは面会交流の実施への障壁をぐっと下げるはずです。そして、それを続けていくうち、結果として上記の点を全部クリアすることにつながる余地は十分にあるだろうと思います。

 

冒頭でもお伝えしましたが、本記事はアプリを推奨する意図に出たものではありません。共に暮らす夫婦だったのだから、本来は直接、自由文でやりとりできるのが理想です。それ何等かの形で難しくなってしまったけれど、お互い「子どもに会いたい」「会わせたい」気持ちは同じ、というのであれば、二人の間の摩擦を減らす仕組みづくりが大切だろうと考えています。