FXは数ある投資のなかでも、少ない原資で大きな利益を見込めることが魅力のひとつです。元手が少なくても億トレーダーになれる、という期待を胸にFXの世界に飛び込む人も多いでしょう。しかし、初期投資額が少ない初心者トレーダーには注意すべきポイントがあると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。一体どのようなことでしょうか?
「初期投資額が少ない」初心者トレーダーが陥りがちな落とし穴【月利30%トレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「〇〇日分のお金が稼げた」の考えの危険性

トレードを行っている最中に「〇〇日分のお金が稼げた(もしくは損をしてしまった)」と考えたことがあるトレーダーはたくさんいるでしょう。人間は本能的に損を嫌う傾向にあります。特に金銭に関する損得感情は、ほかの損得感情よりも激しいものになります。

 

トレードごとに、損益額に一喜一憂することは人間の性なのかもしれません。しかし、FXにおいて、損益額だけを追い求めることは危険な道を歩む第一歩になる可能性があります。

 

損益額(いくら儲けた/損をした)を追い求めすぎると、損得感情に左右されたトレードを行う可能性があります。損得感情に支配された状態でトレードを行うと、損切りすることを極端に恐れるようになります。プラスの利益だけを追求しようとした結果、相場の急な変動に対応できずに、ロスカットや証拠金が枯渇する状況に追い込まれてしまいます。

 

失うことを極端に恐れるマインドは、損切りをするべき場面で正常な判断をすることができなくなります。

初心者トレーダーの多くがやりがちなミス

「しっかり稼ぐためにFXを始めたけど、むしろ資産が減っている……」といった経験があるトレーダーは多いでしょう。もちろん、初心者トレーダーのなかにも、自分のルールを確立して、始めて数ヵ月で利益を軌道に乗せるトレーダーは存在します。しかし、多くの初心者トレーダーは、なかなか継続した利益を出すことができません。

 

安定した利益を出せない根本的な理由は「稼ぎたい欲を抑えることができていないから」です。特に初期投資額が少ないトレーダーは、手元の資金が大きくなるまで、一度のトレードで稼げる金額は小さくなります。初期投資額によっては、アルバイトをするときの時給より低い水準でトレードすることになります。

 

「これだけ時間をかけてチャート分析をしているのに、この収益金額では報われない」と思うトレーダーは多く存在します。早く稼ぎたい欲と、一度で大きな利益を出したいという欲望に逆らえなかった結果、無駄なポジション形成や、ポジションの塩漬けなど、かえって資産を減らす行動をとってしまうのです。

 

欲深く相場を追ってしまうと、自らの身を滅ぼす結果に繋がる可能性が高いのです。