“かっこいいだけ”ではない!高級車に乗ることの現実的なメリット

クルマは乗るのに飽きたら、売ることができます。とくに今は半導体が不足しているため、中古車市場が活況を呈しています。

また円安が進んでいますから、ポルシェなどの高級外国車のリセールバリュー(再販価格)も、すごく上がっています。

もちろん、この本が出る頃には、半導体不足や円安が解消されているかもしれませんが、クルマは基本的に売ることができる商品なのです。

『老害の壁』(小社刊)に書きましたが、私がある地方のオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)に行ったとき、けっこう高齢のオーナーが、4ドアのポルシェで最寄り駅まで迎えに来てくれたことがあります。

彼は実に楽しそうに運転していましたが、これこそファン・トゥ・ドライブ(運転そのものを楽しむこと)だと思いました。

クルマ好きならわかると思いますが、クルマを所有する目的は、買い物などの移動手段を確保するだけではありません。

運転することが楽しい。そういう人であれば、乗るクルマは何でもいいというわけにはいかないのです。

モナコでも、高齢ドライバーが当たり前のように、ポルシェやフェラーリを乗りこなしている姿をよく見かけましたが、運転を楽しむことは、長く運転を続けるためにも必要なことです。

ポルシェやフェラーリに乗っていたら、運転を楽しみたいから長距離ドライブも苦にならないでしょう。いろんな風景を眺めながら運転するのは、脳の刺激にもつながるので、認知機能の低下も予防できます。実際、そんなモナコの高齢ドライバーはみんな生き生きとしていて、とても若々しく見えました。

これに対し、大事故を起こしては困るからと、免許返納を迫るのが日本です。自分が一番好きなクルマを所有して乗りこなせば、かっこうよく見えますし、それが見た目の若さにもつながるはずなのに、とても残念に思います。

和田 秀樹
医師