メディア等で「高齢者の交通事故」が報道されるため、日本では高齢者に対して「免許を返納すべき」という議論が度々起こります。しかし、『60代からの見た目の壁』(株式会社エクスナレッジ)の著者で医師の和田秀樹氏は「高齢者の免許返納には反対」と断言します。いったいなぜなのか、詳しくみていきましょう。
「高齢者の免許返納」は必要か?東大医学部卒の医師が「一貫して反対」と断言するワケ
“かっこいいだけ”ではない!高級車に乗ることの現実的なメリット
クルマは乗るのに飽きたら、売ることができます。とくに今は半導体が不足しているため、中古車市場が活況を呈しています。
また円安が進んでいますから、ポルシェなどの高級外国車のリセールバリュー(再販価格)も、すごく上がっています。
もちろん、この本が出る頃には、半導体不足や円安が解消されているかもしれませんが、クルマは基本的に売ることができる商品なのです。
『老害の壁』(小社刊)に書きましたが、私がある地方のオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)に行ったとき、けっこう高齢のオーナーが、4ドアのポルシェで最寄り駅まで迎えに来てくれたことがあります。
彼は実に楽しそうに運転していましたが、これこそファン・トゥ・ドライブ(運転そのものを楽しむこと)だと思いました。
クルマ好きならわかると思いますが、クルマを所有する目的は、買い物などの移動手段を確保するだけではありません。
運転することが楽しい。そういう人であれば、乗るクルマは何でもいいというわけにはいかないのです。
モナコでも、高齢ドライバーが当たり前のように、ポルシェやフェラーリを乗りこなしている姿をよく見かけましたが、運転を楽しむことは、長く運転を続けるためにも必要なことです。
ポルシェやフェラーリに乗っていたら、運転を楽しみたいから長距離ドライブも苦にならないでしょう。いろんな風景を眺めながら運転するのは、脳の刺激にもつながるので、認知機能の低下も予防できます。実際、そんなモナコの高齢ドライバーはみんな生き生きとしていて、とても若々しく見えました。
これに対し、大事故を起こしては困るからと、免許返納を迫るのが日本です。自分が一番好きなクルマを所有して乗りこなせば、かっこうよく見えますし、それが見た目の若さにもつながるはずなのに、とても残念に思います。
和田 秀樹
医師