シャネルは風格がないと似合わない

ヨーロッパに行くと、おしゃれな高齢女性によく出会います。そうした年代の女性にはシャネルのスーツやバッグが、すごく似合っています。

日本では一時期、「シャネラー」と呼ばれる女性たちがいました。富裕層のほか、援助交際や水商売などで小金を稼いだ若い女子とかが、シャネルを持つのが流行った時代があったのです。

昔、シャネラーをインタビューしたテレビ番組を見ていたら、10~20代のいわゆるギャルが「おばさんたちがシャネルを持っているのを見ると、シャネルが泣くわ!」などと答えている場面がありました。彼女たちは、おばさん世代にシャネルは似合わないと思っているのでしょう。

それはまったく逆で、シャネルは年齢に応じた風格がついてきたとき、初めて持てるブランドなのです。

シャネラーのギャルの中には、店のお客さんにねだって買ってもらったものもあるでしょう。しかし、シャネルは自分のお金で買えるぐらい稼げるようになってから持つものです。本当に自分で貯めたお金で買ったギャルなのかもしれませんが、「大人の風格もまったくないおまえたちが持ったら、よっぽどシャネルが泣くわ!」と、テレビに向かってツッ込んでしまいました。

シャネルのスーツは、自分で稼げる人や、それなりの社交界に出ている人でないと似合いません。そうでない人が着るとかっこうよく見えないのです。シャネルのバッグを持っていても、着ているものとのギャップが大きいと浮いてしまいます。

シャネルというブランドを持つということは、そういうものを身につけるということなのです。