ルール内で判定できないときは直感的に決断する
最後に、ルール内で判定できないときは直感的に決断することも重要です。
現実の株式投資では、たとえば「この指標をみれば間違いなく買いなのだけど、この指標をみると買わないほうがよさそうだ、どうしよう……」などと、定めたルールでは判断できないような事態が起きます。もっとルールを整備すればよいのでしょうが、それには限界もあります。
たとえば、「ある国で戦争が起き、そこに多額の輸出をしているA社株を持っているが、指標的にはホールドなんだけど、戦争の影響が今後どの程度出るのか……」などと不測の事態が起きる場合もあるでしょう。事前に決めたルールでは判定できないこともあるのです。
そしてこの点も、AIより人間のほうが優れているといえるでしょう。AIには「迷う」「決断できない」ということはないでしょうが、最初に定められたルール以外の決断はできません。
しかし人間は、直感的に大胆な決断ができます。
あえてルール無視をして、瞬時に新たなルールを作ることもできます。そしてその決断は、それまでその人が蓄えてきた経験や情報、知恵の塊でもありますので、まったく的外れともいえません。
外れることもありますが、ズバリ的中して大きな利益をもたらすこともあります。臨機応変な決断ができることも、人間の強みなのです。
〈結論〉人間にはAIより勝る点がある
株式投資をする際には、まず、売買のルールを作ること。続いて、そのルールにもとづいて機械的に売買すること。
最後に、ルール内で判定できないときは直感的に決断することが重要です。
「機械的な売買」でミスをしなければ、あとの2点は人間に優位性がありますので、勝機は十分にあるのではないでしょうか。
川合 一啓
株式会社ソーシャルインベストメント
取締役CTO