“そのまま預けていても増えないよ”…「投資信託」を始めたAさん
3万円の先取貯蓄を開始したAさんですが、当初はすべてを銀行に預けていました。しかし、先輩に「そのままただ預けていても増えないよ」と助言をもらい、資産運用をしてみることに。
そこで手始めに、貯蓄額の半分である1万5,000円を投資信託で運用することにしました。
投資初心者には「長期・積立・分散投資」がおすすめ
Aさんのような投資初心者には、「長期・積立・分散投資」がおすすめです。これは、投資信託などを活用することで、「10年(可能であれば20年)以上(=長期)、毎月コツコツ一定の金額を(=積立)、世界中のさまざまな金融資産へ(=分散)投資する」ということです。
長期間投資を行うことで利益を伸ばすことができ、一定額積み立てることでストレスと損失リスクを抑えられます。さらに、分散投資をすることで運用を安定化できるとあって、この方法は金融庁も推奨しています。
Aさんは1万5,000円のうち、日本国内株(日経225)に連動する投資信託と米国株式(S&P500)に連動する投資信託の2種類を選択し、「日経225」に月額5,000円、「S&P500」に月額1万円を“長期・積立・分散投資”し始めました。
Aさんが選んだ「日経225」「S&P500」ってどんなもの?
■日経225投資信託
「日経225」とは、東京証券取引所の第1部に上場している全銘柄(2021年9月2日時点:2,189銘柄)のうち、日本経済新聞社が選出した特に流動性が高く、日本を代表すると考えた225銘柄の平均株価です。「日本を代表する225社に投資している」というイメージを持つとわかりやすいでしょう。
バブル崩壊後の1993年から2023年までの30年間でみると、平均利回りは1.5%となっているほか、直近2013年から2023年の10年間においては、年率約8.9%のリターンを記録しています。
■S&P500投資信託
「S&P500」は米国でもっとも代表的な株価指数※です。「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」という会社が発表しており、ニューヨークの証券取引所に上場している代表的な500銘柄の株価を指数化したものです。
※ 株価指数……株式相場全体がどう動いているのか示すための指数のこと。
「S&P500に投資するのはアメリカ企業の8割に投資していることと同じ」といわれるほど、非常に分散性・成長性の高い指数です。
導入された1957年以来、平均約10.7%/年の上昇率を記録し、1982年から2022年までの40年間でみると年率6%程度のリターンを記録しています。特に、直近2012年から2022年の10年間においては、年率約14.7%のリターンを記録しているから驚きです。
投資信託には、Aさんが選んだような株価指数などの値動きと連動した運用成果を目指す投資スタイルの「インデックス型」と、成長性が高いと見込まれる銘柄を個別に選んで運用していく「アクティブ型」があります。
投資を始める際には、自分が投資しようとしている投資信託がどのような企業、地域、金融商品に投資しているかしっかり把握するようにしましょう。