実家の空き家は、「リースバック」で有効利用ができる!?
近年、都市部にて就職、結婚して生活基盤を築いたものの、地方にある実家の利用について苦慮するという事例が増えています。もっとも、このような実家の問題については、比較的新しい「リースバック」を利用して解決できる例も増えてきました。
ある家庭の例をみてみましょう。
Aさんは神奈川県横浜市に在住する65歳の男性です。会社員として勤続し年収は800万円、賃貸マンションに住んでいます。現在は妻と2人暮らしで、別居している娘が1人います。
Aさんは、先日母親が亡くなり、愛知県名古屋市の実家(現在空き家)を相続しました。愛知県へ戻る予定はないものの、実家に愛着もあり、また遺品等も多いことから、すぐに売却することはできません。ただ、空き家になってしまっているため、このまま長く放置するには、空き巣や放火などのリスクが心配です。今後は定期的に実家へ通い、両親の遺品・家財道具の整理をしたいと思っています。
また、横浜と名古屋では、移動費用や移動時間も軽視できません。そのため、実家への定期的な交通費・遺品整理で家財の処分等にかかる費用を工面したいと考えています。さて、このような要望をみたすには、どのような方策が考えられるでしょうか?
時間をおいて売りたい実家…売却に向けてどう進めていく?
いずれ不動産を売却するためには、基本的な進め方として、遺品の整理を進めて、建物を解体できる状態、すなわち更地にできる状態で売却することが一般的です。
この方法ですと、更地として市場価格どおりに高く不動産を処分できる可能性がありますが、当然売却するためには先に遺品を整理する必要があります。
実家売却前にかかる遺品整理費用
相続問題で度々問題になるのが、「相続するには先に相続手続費用が発生する」ということです。Aさんのケースでも、単純に実家の家財道具を処分するだけであれば、遺品整理業者に何十万円かの費用を払えば廃棄は可能だと思います。
もっとも、「思い出の詰まった実家のもの」を無慈悲に廃棄するのは、なかなか抵抗があるとも思います。そのようななか、先に不要なものと残しておきたいものを選別してから遺品整理業者に依頼するとなると、前述のように、移動費用や移動時間といった先立つものが必要になります。
また、相続では最終的に相続財産を承継できるとしても、相続税や相続手続費用を先に捻出するのは、かなり家計に負担も大きいです。このような背景から、リースバックの活用事例も登場してきました。