(写真はイメージです/PIXTA)

建物の管理状況や周辺環境の雰囲気など、購入前の「現地確認」で得られる情報は不動産投資家にとって非常に有益であることをご存じでしょうか。本記事では、現地確認を行う際にチェックすべき重要なポイントをいくつかピックアップして解説します。

建物の瑕疵が価格交渉の材料になる

現地に着いたら、建物のまわりをクルっと一周してみてください。

 

大規模修繕が行われていない古いRC造マンションなどでは、素人目にもわかるような大きなヒビが入っていることがあります。こういった物件は要注意です。

 

筆者がコンサルティングを行っていたお客様(A様)は、購入予定物件の現地調査に赴いたところ、「屋根が割れているように見える」という異変に気づきました。

 

A様から電話連絡を受けた筆者が売主に問い合わせると、「屋根が剥がれていることは知っていたが、直さず放置していた」といいます。

 

これは売主の告知義務違反にあたります。筆者もすぐに現地へいって確認すると、天井の雨漏りも発見されました。これは数万円程度で直せるレベルではなく、最大1,000万円近くの費用がかかる工事になるでしょう。

 

このような物件は購入しないという選択肢もありますが、修繕費用分の値引きを交渉するという手もあります。

 

また、ほかのお客様(B様)は現地確認の際、消防設備が著しく劣化していることに気づきました。火災報知器などの消防設備・避難器具に不具合があった場合は建物所有者が罰則対象となるためこれは放置できません。

 

専門業者にメンテナンスの見積もりを依頼したところ、総額は400万円。売主に対し、その額を値引きしてもらう交渉に入りました。ところが売主からは「200万円までしか引けない」との回答がありました。

 

そこで、「値引きは200万円で良いので、売主負担で消防設備等のメンテナンスをしてほしい」とダメ押ししたところ快諾され、実質600万円の値引きに成功しました。こういった交渉も、現地を確認したからこそできることです。

 

以上みてきた通り、建物では修繕に高額な費用がかかりそうなところ、そして周辺環境においては歩道橋や階段、坂道など自分の力ではどうにも変えられない場所などが、現地調査において重要なチェックポイントとなります。ぜひ覚えておくようにしましょう。

 

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※本記事は、「不動産業界から『あなた』を守ります」をコンセプトに株式会社LandSitzが運営する『不動産投資の裏側を知る教科書』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。