次々と「異次元の少子化対策」を見据えた施策がニュースになっていますが、今度は、子ども3人以上の多子世帯を対象とした「大学の授業料無償化」。確かに大学の授業料「たかっ!」という声は聞こえてくるので、子育て世帯からは賞賛の嵐かと思いきや、ほぼ反応なしの無風状態。なぜなのでしょうか。
「子3人以上世帯の大学無償化」に〈平均年収800万円〉の日本の子育て世帯、無反応「1人育てるのも大変なのに」 (※写真はイメージです/PIXTA)

3人以上の子どもがいる多子世帯「大学授業料無料」だが…

政府は「異次元の少子化対策」の一環として、3人以上の子どもがいる多子世帯において、大学(短期大学、高等専門学校など含む)授業料を無償化する方針だといいます。2025年度からスタートし、所得制限は設けない予定だとか。

 

2024年度からは、「返済不要の給付型奨学金」と「授業料減免」の対象を多子世帯など拡大することが決定しており、さらに多子世帯の進学を後押しするカタチです。

 

このニュースを受けて

 

――大学の授業料が無料に⁉ 本当に助かる!

 

という声が聞こえたものの、「3人以上の子どもがいる多子世帯」に限ってのことだということを見落とす人も多く、「あっ、うちは対象外だ」と落胆する人も続出しました。

 

文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』によると、国立大学の入学金28万2,000円、授業料53万5,800円。一方、文部科学省『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査』によると、私立大学(学部)・短期大学・私立高等専門学校の初年度納付金は、文系学部平均で入学料22万5,651万円、授業料81万5,069万円、施設設備費14万8,272万円で、合計118万8,991円。理系学部平均で入学料25万1,029円、授業料113万6,074円、施設設備費17万9,159万円で、合計156万6,262円。医歯系学部になると、入学料107万6,278万円、授業料288万2,894円、施設設備費93万1,367円で、合計489万0,539円になります。

 

今回、「大学授業料を無償化」とありますが、無償の範囲がどこまでかなど不明点も多いものの、子どもが3人を大学に進学となるとかなりの金額。所得制限なしでサポートがあるとなると確かに3人目を躊躇う夫婦にとっては、少し背中を押してくれることになるかもしれません。

 

ただ報道に対して賞賛の声があまり聞こえてこない……というよりも、当の子育て世帯はほぼ無反応といったところ。

 

――岸田総理、微妙にズレてるんだよな