持ち家と賃貸、どちらが得か……住宅ローンを組んだり、修繕費や税金がかかったりと、一見持ち家はコストがかかるように思えます。一方、賃貸の場合もそのランニングコストは大きなものです。「持ち家か、賃貸か」は永遠の論争テーマのひとつですが“おひとりさま”の場合はどちらが得でしょうか。FP Office株式会社の須藤雅FPが、40歳独身男性を例に、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
結局のところ“持ち家と賃貸”どちらがお得?差額「1,000万円以上」も…40歳“おひとりさま”の場合【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

持ち家と賃貸で「1,000万円以上」の差が出たワケ

差額が出たポイントを整理しましょう。住んでから35年間(75歳まで)で比較すると、

 

持ち家……ローン返済4,410万円+固定資産税420万円+修繕費用200万円=4,960万円

賃貸……家賃4,200万円+更新費用224万円+引越し費用120万円=4,544万円

 

となり、この時点では賃貸に住んでいるほうが住宅費を抑えることができます。

 

しかし、75歳を過ぎると、住宅ローンを完済した持ち家の場合と、その後も家賃を払い続けなくてはならない賃貸とでは、残る15年間で大きな差が出てくるのです。

 

持ち家……固定資産税180万円+修繕費用200万円=380万円

賃貸……家賃1,800万円+更新費用98万円+引越し費用40万円=1,938万円

 

持ち家の場合、住宅費が賃貸に比べて5分の1ほどしかかかっておらず、老後は持ち家のほうが有利になります。

老後の暮らしに重点を置くなら「持ち家」が有利

上記で検証したように、現役(仕事をしている60歳・65歳・70歳まで)のうちは、持ち家と賃貸とでそれほど大きな差はありません。そのため、現役世代中に重点を置くのであれば、自身の望む生活スタイルや環境を判断基準に持ち家・賃貸を選択するといいでしょう。

 

一方、老後に重点を置くのであれば、持ち家を選択したほうが有利です。ただし、持ち家には「住み替えがしづらい」というデメリットがあるため、転職や転勤で生活拠点が変わる可能性を考慮するなら選びづらい面があるかもしれません。

 

しかし、持ち家の場合は「修繕費や税金がかかる」というデメリットがありますが、賃貸に住んだ場合の総額と比較するとそこまで負担に差はありません。

 

また、「購入時点で全額の負債を負う」という点についても、「団体信用保険」があり、万が一死亡した場合や高度障害になった場合はローン返済が完了する仕組みになっています。

 

なお、この団体信用保険のなかには、3大疾病(がん・心筋梗塞・脳梗塞)になった場合もローンが完了するものもあります。「おひとりさま」にとっても、三大疾病や高度障害になった場合住宅費がかからなくなるのでメリットは大きいといえます。

 

賃貸に比べて「災害時リスクを負う」という点に関しては、購入を検討する地域の災害歴を調べたり、ハザードマップなどで災害の可能性を調べたりと、ある程度は回避できます。地域密着型の不動産会社に聞いてみるものいいでしょう。