学歴を問わない就職採用が広がっていますが、それでも「学歴格差」は色濃く残っています。そのようななか、「より偏差値の高い大学へ」「より知名度の高い大学へ」と考えるのは当然のことです。そのようななか、大学を卒業した人たちは学歴の恩恵を受けているのでしょうか。私立大学でも最高峰の「早稲田大学の卒業生」についてみていきます。
偏差値70「早稲田大学卒」の33歳会社員…エリート街道を突き進む、一流大学出身者「羨望の給与額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

早稲田大学卒業生に聞いた「なぜ、早大に進学したのですか?」

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、高校卒会社員(平均年齢45.8歳)の平均給与は月収で27.3万円、年収で434.5万円。一方、大卒会社員(平均年齢41.3歳)の平均給与は月収36.2万円、年収で587.1万円。その給与差、月8.9万円、1年で152.6万円になります。年齢別にみていくと給与のピークは高卒も大卒も50代後半で、それぞれ499.1万円、794.6万円。給与差は300万円弱にもなります。

 

高卒か大卒かで大きな給与差が生じる状況下、もし大学に行くかどうか迷っているなら、「とりあえず大学に行けば」とアドバイスしてしまうのも仕方のないことです。

 

ただ大学であればどこでもよいのかといえば、そうではないことは、社会人であれば誰もが実感しているところ。大学を卒業後、さまざまなシーンで大学の偏差値や知名度などによる格差は存在し、誰もが「世の中、学歴がものをいう」ということを知っています。「より偏差値の高い大学へ」「より知名度の高い大学へ」と希望する子どもたちが多いのも無理のない話です。

 

日本において、私立大学の最高峰のひとつといえば、早稲田大学。大手予備校によると、その偏差値は62~70。看板学部の政治経済学部は67~70です。ライバルとして並び称される慶應義塾大学は60~72、最高学府のひとつ東京大学は67~72です。

 

――我が子も早大生に

 

そう願う親も多いでしょう。そこで知りたいのは、早稲田大学に合格、進学した子どもたちは、どんな中学生、高校生だったのか。2009 年度に学部に入学した卒業生を対象に実施した『2022年度 早稲田大学卒業生調査』によると、「父親の最終学歴」は「大卒」が66.3%、「高卒」が14.1%、「院卒」が9.4%。「母親の最終学歴」は「大卒」が37.0%、「短大卒」が26.6%、「高卒」が21.7%でした。

 

「早稲田大学の志望度」については、「第一志望だった」は69.0%、「学部の志望度」は「第一志望だった」は69.2%。また「現役生」は68.9%。志望理由で最も多かったのが「勉強したい分野がその学部にあったから」で87.9%。続いて「偏差値が適当だった」が80.8%。ほかに「就職が有利だと思った」「伝統や校風が好き」が志望理由として多くあがっています。

 

そんな早稲田大学生。中学・高校の頃の成績については、「中学で上位(上のほう、やや上の合計)」と回答したのが78.5%、「高校で上位」と回答したのが62.7%でした。