長期投資と短期投資は、どちらが優れているのでしょうか? さまざまな意見があると思いますが、一般的には長期投資のほうが優れている、という考えが多いように感じます。しかし、一概にはそうとも言い切れないと、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。今回は、手数料と税金も考慮してそれぞれどの程度の利益が出るか、思考実験によって比較をしてみましょう。
株式投資…「結局は長期投資がうまくいく」がウソといえるワケ【株式投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

一概にどちらが優れているとはいえない

両者を比較しますと、株価がほぼ同じ3倍程度になったとしても、そのあいだに短期売買を繰り返したほうが利益がはるかに大きいということがわかります。

 

長期の1回売買

手数料・税引き前利益:2,000円
手数料・税金:500円
手数料・税引き後利益:1,500円

 

そのあいだの短期での13回売買の合計

手数料・税引き前利益合計:4,299円
手数料・税金合計:1,076円
手数料・税引き後利益合計:3,223円

 

「結局は長期投資がうまくいく」という話もありますが、必ずしもそうだとはいえないことが、おわかりではないでしょうか。意外なほど差がつきました。

 

ただし、このように同一銘柄の売買を13回成功させるというのもまた仮定の話であり、現実にはそううまくいかないでしょう。また、売買のタイミングなど、思考実験の条件を変更すれば、まったく違う結果にもなることでしょう。

 

よって、唯一いえるのは、一概にどちらが優れているとはいえない、ということだけではないでしょうか。

思考実験によって判明

長期投資と短期投資について、手数料と税金も考慮してそれぞれどの程度の利益が出るか、思考実験によって比較をしてみました。

 

「結局は長期投資がうまくいく」という話もありますが、意外なほど差がついて短期投資の圧勝でした。ただし、それはあくまで思考実験であり、現実にはそううまくいかないでしょう。また、売買のタイミングなど、実験の条件を変更すれば、まったく違う結果にもなることでしょう。

 

よって、一概にどちらが優れているとはいえない、ということだけが唯一いえるのではないでしょうか。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓