給与は全然上がらない、なのに物価は上がるばかり。老後を考えれば年金はあてにならないし……そんな話ばかりで、とても「子どもを持つ」ことは考えらえないと、はじめから「夫婦ふたりだけの人生」を選択して結婚する人たちが増えています。経済的に余裕があり、悠々自適。しかし「子を持たない」ことへの不安は尽きないようです。みていきましょう。
年収1,000万円超40代×30代の「子のない夫婦」…子育て世帯を横目に悠々自適な生活も、30年後に直面する「哀しい顛末」 (※写真はイメージです/PIXTA)

子のない夫婦…疎遠な甥や姪と遺産をめぐる争いが勃発

「子どものいない」リスクはもうひとつ。夫婦どちらか一方が亡くなり、相続が発生した時に起こります。ここで法定相続人について確認しておきましょう。死亡した人の配偶者は常に相続人。以降の相続人には優先順位があり、相続割合である「法定相続分」も変わってきます。第1順位は子ども。DINKsは自動的に次の順位にスライドとなり、第2順位の両親へ。すでに亡くなっているのであれば、第3順位の兄弟姉妹へとスライドしていきます。

 

80代で夫(妻)が亡くなったとすると両親が存命である可能性は低いので、兄弟姉妹が相続人というケースが多くなりますが、もしその兄弟姉妹が亡くなっていた場合、法定相続人の子どもが代わりに遺産相続する代襲相続となり、甥や姪が相続人として登場することになります。

 

兄弟姉妹ならまだしも、甥や姪と日ごろから仲が良いというケースは少ないのではないでしょうか。そんな人たちとお金の話をするわけですから大変です。突然わいてきたお金の話に、甥や姪は強欲丸出し。トラブルになることが多いのです。

 

年収1,000万円超、40代×30代の「子のない夫婦」。現役時代、悠々自適な毎日を送り、老後のスタートも順調に進むでしょう。しかし後期高齢者となり介護リスクが高まってきたあたりから、「子のない夫婦」のリスクは徐々に大きくなっていきます。これらを見据えて、要介護になったらどのような対応を求めたいのか、相続であればしっかりと遺言書を用意しておくなど、日ごろから夫婦で話し合い、準備を進めていくことが重要です。