(※画像はイメージです/PIXTA)

旬のお魚を焼いて食べる。焼き魚は素朴でありながら、自然の恵みが詰まった贅沢な一品であるといえます。でも、「魚料理って難しそう」「グリルとフライパン、どっちで焼けばいいの?」「グリルの片付け、面倒くさい」などなど、魚はハードルが高いと思っていらっしゃる方も多いかもしれません。そこで、これらの疑問や悩みに応えるべく、出張料理人ミツさんに、魚を美味しく焼くコツを教えていただきました。※本稿は、健康、食、暮らしをテーマに、専門家による「すぐに役立つ」情報を届けるサイト『AUX Magazine』からの転載記事です。

焼き魚におすすめの魚

魚は食べる時期によって味が全然違うので、旬の魚を使うのがおすすめです。

 

夏であれば、イサキやアジ、アマダイなど小さめの魚が美味しく、秋にはサンマが旬を迎えます。そして冬になると、ブリやさわらなど大きめの魚が美味しくなります。

背の青い魚と白身魚、下処理はどうする?

魚の下処理の方法は、どの魚も基本的には同じで、塩をして出た水分をふき取ります。

サバやマイワシ、アジなどの背の青い魚は水分が多く、臭みがあって傷みやすいため、強めに塩をしてあげましょう。

 

塩をしてしばらく置くと水分が出てくるので、キッチンペーパーなどで除きます。こうすることで臭みがなくなり、旨味が凝縮されて美味しくなります。

 

一方、タイやヒラメなどの白身魚は、鮮度が高い場合あまり水分が出ないので、塩は薄くて構いません。白身魚はパサつきやすいので、小麦粉をつけてフライパンで焼くのもおすすめです。小麦粉がグルテンを形成するため中の水分が逃げにくく、旨味を閉じ込めて、身がふわっと焼けます。

 

塩の下処理は、下味も兼ねています。下味は料理をするうえでとても重要。たとえるなら、お化粧するときに下地をしっかり作らないと、お化粧ののりが悪くなるのと同じですね。

 

料理はグラデーションが大切で、たとえば醤油で味をつけるとすると、醤油と食材のあいだには味の差ができます。下味をつけないと、口に入れたときは醤油の塩分を強く感じるのに、噛むと食材が水っぽく感じられ、違和感が生まれてしまいます。

 

この味の段差を解消して調味料と食材をつなげてくれるのが下味なのです。

魚を焼くのは「フライパン」と「グリル」どっちがいい?

フライパンとグリル、魚を焼くのはどちらがよいのでしょうか。それぞれに、メリットとデメリットがあります。

 

「フライパン」で魚を焼くメリット・デメリット

 

 

メリット

フライパンのメリットは、火加減の調整ができること。強火で焼いて、魚の水分が抜ける前に火が入れられるので、水分に含まれた旨味を残すことができます。

 

また、魚の焼き目は見た目に美味しそうなだけでなく、焼き目の成分には魚の臭みを打ち消す働きがあります。焼き目をしっかりつけられることができるのもフライパンのメリットです。

 

デメリット

フライパンで焼くと、魚から出た水分が残って魚と一緒になってしまいます。これは余計な水分なので、臭みなどが付いてしまうことがあります。

 

また、胴体が丸い魚の場合、端っこまで焼き目がつけられないのがデメリットです。

 

「グリル」で魚を焼くメリット・デメリット

 

 

メリット

グリルは上からの火で焼くため、丸みのある魚も均等に焼けて、煙が出にくいメリットがあります。

 

デメリット

魚を焼くときには「強火の遠火」が基本ですが、家庭用のグリルでは火力が十分ではないことがデメリットです。後片付けが大変なのもグリルのデメリットでしょう。

魚を焼くときに準備するとよいもの

フライパンの場合

魚の下にクッキングシートやアルミホイルを敷いてやると、魚から出た水分がシートの下に流れて魚に付きにくくなり、美味しく焼けます。フライパンが汚れにくいので片付けも楽です。

 

グリルの場合

水を入れるグリルの場合、水のトレイにアルミホイルを敷いてその上にクッキングペーパーを載せ、クッキングペーパーがひたひたになるくらい水を入れると、そこに汚れが落ちて広がらないので片付けがぐっと楽になります。(水を入れないとクッキングペーパーが燃えてしまうので、火災には十分注意してください。)

 

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