金融機関によってさまざまですが、住宅ローンによる借入可能な額は、およそ年収の7倍とされています。しかし、借入限度額内の住宅ローンの資金計画を立てていたAさんは、事前審査に落ちてしまいます。一体なぜでしょうか。本記事では、住宅ローンの資金計画の注意点とともに、審査に通りやすくなる方法をCFPの伊藤貴徳氏が解説します。
年収900万円の40歳・広告代理店課長が〈5,600万円の住宅ローン事前審査〉に「落ちた」ワケ…「否認」から一発逆転する方法をCFPが助言 (※写真はイメージです/PIXTA)

頭金の使い道を工夫するだけでローンが通る!さらに金利圧縮もできる

Aさんは先に車のローンを完済することで、住宅ローン審査を通すことができました。しかし、恩恵はこれだけではありません。トータルの金利負担も減らすことができたのです。

 

仮にカーローンと住宅ローンの審査が両方通った場合と、頭金をカーローンの返済に充てて住宅を購入した場合を比べると、トータルの支払い金利が60万円近く減る計算となりました。

 

見直し前

カーローン

購入価格 500万円

購入総額 608万2,920円

支払金利 108万2,920円

 

マンション(頭金1,400万円)

購入価格 5,600万円

購入総額 5,943万6,360円

支払金利 343万6,360円

 

→金利合計 451万9,280円

 

見直し後

カーローン

支払金利 21万6,584円(1年間)

 

マンション(頭金1000万円)

購入価格 6,000万円

購入総額 6,368万1,840円

支払金利 368万1,840円

 

→金利合計 395万9,704円

……62万,856円の金利削減

 

「頭金として準備したお金の使い方を工夫するだけで、これだけのことができるんですね」

 

「もしこのことを知らなかったらいまごろ、貯金を増やすことに躍起になって、買いたかったマンションを買いそびれることになっていたかもしれません」とAさん。

 

少しの工夫で、望んでいた未来を手に入れられるか、手に入れられないかが変わってしまうこともあります。解決の糸口は至るところにあります。困ったときは専門家に相談してみましょう。

 

 

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス

代表