ひと昔であれば、中学受験をするというのは特別なことでしたが、昨今は「普通の家庭」でも「子どもは私立中学校に通っています」というケースも。ただネックになるのは、やはり公立よりも高い学費。もし家族が一体となって中学受験に挑んでいるときに「夫、急逝」なんて悲劇が起こったら……やはり経済的に諦めたほうがいいのでしょうか。考えてみましょう。
月収46万円・45歳夫が突然死…号泣する妻は、ふと考えた「子どもの中学受験、どうしたらいいかしら?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

東京では「中学受験が当たり前」…結局、公立と私立、いくらかかる?

東京都教育委員会『令和4年度公立学校統計調査報告書』によると、令和4年3月に東京都の公立小学校を卒業した9万8,239人のうち、私立中学校に進学したのは1万9,025人で、全体に占める割合は19.73%。5人に1人は私立中学に進学しています。最終的に公立中学校に進学した子どもや、国立中学校に進学した子どもたちも合わせれば、中学受験に挑戦することは、東京では珍しいことではありません。

 

さらに東京都23区だけでみていくと、文京区では私立中学進学率が49.44%。港区、中央区、目黒区は4割超え、23区中12区で3割を超えています。これらの地域では中学受験をしないほうが、どこか肩身の狭い思いをしてしまうかもしれず、思わず「うちも頑張ってみる?」と言ってしまいそうです(関連記事:『東京都23区「中学受験進学率」ランキング《2021年》』)。

 

しかし、実際気になるのは「私立に通わせるにはいくらかかるのか?」ではないでしょうか。文部科学省の調査によると、中学・高校の教育費、公立と私立を比べると以下の通り。中学校では私立は公立の2.6倍、高校では2倍のお金がかかります。

 

【中学校】

◆公立:53万8,799円

(内訳)

・学校教育費:13万2,349円

・学校給食費:3万7,670円

・学校外活動費:36万8,780円

◆私立:143万6,353円

(内訳)

・学校教育費:106万1,350円

・学校給食費:7,227円

・学校外活動費:36万7,776円

 

【高等学校】

◆公立:51万2,971円

(内訳)

・学校教育費:30万9,261円

・学校外活動費:20万3,710円

◆私立:105万4,444円

(内訳)

・学校教育費:75万0,362円

・学校外活動費:30万4,082円

 

出所:文部科学省『令和3年度 子供の学習費調査』より

 

結構な金額差ではありますが、子どものことを考えると多少のムリでもしてしまうのが、親というものかもしれません。